韓国の大手プラットフォーム企業であるNaverとKakaoが、2025年にそろって過去最高業績を更新する見通しとなった。Naverはコマースと広告の成長を追い風に年間営業利益2兆ウォン超えが視野に入り、Kakaoは事業再編とコスト効率化を背景に、営業利益が前年比で5割超増えるとみられている。
金融情報会社Fnguideが15日にまとめた市場コンセンサスによると、Naverの2025年通期売上高は12兆1053億ウォンと前年同期比12.7%増、営業利益は2兆2012億ウォンと同11.2%増の見込み。通期営業利益が2兆ウォンを超えるのは初めてとなる見通しだ。
Kakaoについても、通期売上高は8兆1442億ウォンで前年同期比3.5%増、営業利益は7060億ウォンで同53.4%増が予想されている。売上成長は限定的ながら、収益性の改善が鮮明になっている。
Naverの業績を支えているのは、コマース事業の拡大だ。証券業界では、競合他社の情報流出問題を受けて、Naverショッピングのトラフィックや取引額の変化が一部指標に表れているとの見方が出ている。
2025年3月に投入した「Naver Plus Store」アプリも、取引額の拡大を後押ししたと評価されている。
Naverは流入した利用者の囲い込みにも力を入れている。サムスン証券のオ・ドンファン研究員は、Naverが現在15%水準のN配送カバレッジを維持しつつ、プラス会員の提携先を継続的に拡大し、配送競争力を高めていると分析した。
Spotifyとの提携効果もあり、2025年11月の有料会員数は前月比で20%超増えたとされる。
広告事業である検索プラットフォームも、AI導入による効率改善を背景に成長基調を維持した。コマース取引の拡大に伴う広告需要の増加が重なり、四半期業績の下支え要因になったとの見方がある。
AI広告ソリューション「AdBoost」もターゲティング精度の向上に寄与し、売上成長を支えたと分析されている。
一方のKakaoは、売上の伸びこそ限定的だが、利益面では明確な改善が見込まれている。チョン・シナ代表の就任後に進めてきた構造改革の効果が表れた格好だ。
同社は非中核事業の整理を進め、147社に達していた系列会社を94社水準まで圧縮した。Kakao Hairshopなど非主力事業を整理したほか、Daumポータルを担当するコンテンツCICを分社化するなど、コスト効率化が大幅増益につながった。
主力事業の「Talk Biz」では、KakaoTalk改編の効果が寄与した。2025年下期に実施した第1・第3タブの改編で広告枠(インベントリー)が拡大し、増収を牽引した。
証券業界では、Bizboardとメッセージ広告が繁忙期要因も重なって堅調に伸びたとみている。構造的なコスト削減が収益を下支えする一方、プラットフォーム改編が売上の落ち込みを抑えたという評価だ。
ただ、コンテンツ部門の不振は引き続き課題となっている。新作不足の影響でゲーム部門売上高は前年比20%超の減少が見込まれており、子会社の減速が全体の成長を抑えたとみられる。
Talk Bizが全体業績を下支えしたものの、コンテンツ部門が回復しなければ、中長期の規模拡大には限界があるとの指摘も出ている。
両社は2026年を起点に、AIエージェント市場の先行獲得を狙う。Naverは検索とショッピングを統合した「Agent N」、Kakaoは対話型アシスタント「カナナ」を、それぞれ1〜3月期に投入する予定だ。
Naverはショッピングエージェントと統合検索内のAIタブ新設を通じて、購買意図の把握から実行までをつなぐ「目的型AI」を掲げる。これに対しKakaoは、KakaoTalkという強力なプラットフォームを基盤に、会話の文脈を理解して予約や決済を支援する「関係型AI」を打ち出す。
証券業界では、AIサービスが新たな成長エンジンになるとの期待がある一方、慎重な見方も残る。Daishin証券のイ・ジウン研究員は、2026年にはAI基盤のTalk Biz成長が加速し、バリュエーションの見直しにつながる可能性があるとみている。
もっとも、AI導入による滞在時間の拡大効果はなお限定的で、本格的な収益化には時間を要するとの分析もある。