Lotte Energy Materialsは1月14日、韓国・益山工場の電池箔生産能力約2万トン分を、AI向けの高付加価値回路箔へ切り替える方針を明らかにした。顧客認証の前倒しと品質の安定化を進め、急拡大する需要の取り込みを狙う。
同社は1月13〜14日、益山工場で2026年上期のグローバル戦略会議を開催した。初日の会議では、同工場を国内唯一の回路箔生産拠点として再編し、ビッグテック各社を中心に拡大するAI向け需要に対応する施策を議論した。
益山工場では、電池箔ライン約2万トン分を全量回路箔ラインに転換する。今後、国内外の顧客から製品承認を取得できれば、AI向けの高付加価値回路箔の販売は本格的に拡大する見通しだ。同社は2026年を、AI向け回路箔事業の本格拡大に向けた節目の年と位置付けている。
あわせて、顧客認証の前倒し、品質の安定化、生産能力の引き上げにも取り組む。供給体制を強化し、顧客からの信頼確保につなげる考えだ。
同社は2025年、韓国の銅箔業界で初めてハイブリッド・ハイエンド製品ブランド「HiSTEP」を立ち上げた。OEMや電池メーカー向けの技術交流会を通じ、AI向け高付加価値回路箔やESS向け電池箔など、用途別の最適技術を提案している。
キム・ヨンソプ代表取締役は「短期的な業績改善にとどまらず、事業構造の転換を通じて再飛躍の足場を築く年にしなければならない」と述べた。
会議では、マレーシア工場のコスト競争力の強化と設備の安定稼働に向けた対策も議題に上った。同工場では、2025年に始動した「RISE 1000」プロジェクトを通じて在庫と廃箔を削減し、歩留まりと生産効率が改善したとしている。
2026年からは第2段階の改革に入り、世界最高水準のコスト競争力の確保を目指す。2024年に完成したマレーシア第5・第6工場では、薄膜、高強度箔、厚箔、広幅など生産難度の高い高付加価値製品を手掛ける計画で、本格稼働に向けた準備を進めている。
最先端設備と熟練技術を基盤に、顧客クレームゼロを目標に掲げる。生産性を世界最高水準まで高め、品質競争力の強化を図る方針だ。
キム・ヨンソプ代表取締役は「生産、品質、開発の現場を中心に、データ基盤のAI技術を組み込み、運営システム全般の革新を強力に進める」と説明した。その上で、新規顧客比率と用途の拡大を20%以上進め、EV市場の停滞に伴う営業リスクを抑える考えを示した。需要回復局面を見据えた先行マーケティングの強化と、新市場の開拓にも全社の力を集中するという。