米下院の公聴会で、韓国のデジタル規制やCoupangを巡る対応について、「米企業を標的にした差別的措置」とする批判が相次いだ。韓国政府は通商当局トップを米国に派遣して説明を進めたが、米政界の懸念を払拭するには至らなかった。
13日(現地時間)にワシントンで開かれた下院歳入委員会貿易小委員会の公聴会で、エイドリアン・スミス委員長(共和党、ネブラスカ州)は、韓国が「米企業を明確に標的にした立法を進めている」と主張した。さらに、こうした動きは韓米FTAに反するとの認識を示した。
スミス氏は具体例としてCoupangを挙げ、韓国の規制当局が米テクノロジー企業を攻撃的に標的にしていると批判した。Coupangの個人情報流出を巡り、韓国政府や国会が責任を追及していることを問題視した格好だ。
Coupangはニューヨーク証券取引所に上場するCoupang Inc.の韓国子会社で、親会社が全株式を保有する。議決権の70%超は創業者のキム・ボムソクCoupang Inc.取締役会議長が握っており、同氏は米国籍を持つ。
公聴会は、ヨ・ハング産業通商資源部通商交渉本部長が、韓国のデジタル規制を巡る米政府や米議会の懸念を和らげるため訪米している最中に開かれた。ヨ本部長は前日、ダレル・アイサ下院議員(共和党、カリフォルニア州)らと面会し、韓国のデジタル規制は特定の国や企業を狙ったものではないと説明していた。
ただ、米議会内の反応は厳しかった。キャロル・ミラー下院議員(共和党、ウェストバージニア州)は、「自由なデジタル貿易を妨げようとする動きは韓国で最も顕著だ」と述べ、最近成立した韓国情報通信網法の改正を「検閲法」と批判した。
さらに同議員は、韓国が「2人の米国人経営者に対して政治的な魔女狩りをしている」とも主張した。発言は、Coupangの韓国法人の暫定代表ハロルド・ロジャース氏と、キム・ボムソク議長を念頭に置いたものと受け止められている。
こうした問題提起は共和党にとどまらなかった。スーザン・デルベネ下院議員(民主党、ワシントン州)は、「地元選挙区の企業であるCoupangから、韓国の規制当局が貿易合意に違反していると聞いている」と述べ、デジタル貿易ルールに対する議会の関与を強める必要があるとの考えを示した。
韓国政府は、オンラインプラットフォーム規制や韓国情報通信網法の改正は、すべての企業に同じ基準で適用されるとの立場を取っている。一方、米側は自国企業が事実上の標的になっているとみている。とりわけ、Coupangの個人情報流出への対応を巡る韓国内の調査や立法の動きは、米議会で「米企業差別」として受け止められつつある。
デジタル規制とCoupangを巡る問題は、今後の韓米通商関係における新たな火種となる可能性がある。