KOSPIが連日で高値を更新しているにもかかわらず、韓国の個人投資家による米国株買いは勢いを増している。為替当局の安定化策でドルが下がる局面が、かえって個人のドル買いを誘い、ウォン・ドル相場を再び押し上げる――そんな「ピンポン」のような構図も意識され始めた。
韓国預託決済院によると、1月に入ってから12日までの間に、韓国の個人投資家が純買いした米国株は23億6740万ドルに達した。同期間ベースでは、統計を開始した2011年以降で最大という。前年同期の13億5700万ドルに比べ74.5%増えた。
年初からの買い越し額で最も大きかった銘柄はTeslaで、4億2979万ドルだった。Tesla株の値動きの1.5倍を目指すレバレッジ型ETF「TSLL」が3億4149万ドルで続き、Micronは1億7490万ドルだった。
このほか、Alphabet、Palantir、NVIDIAも純買い上位10銘柄に入った。個人マネーが引き続きハイテク株に向かっている格好だ。
市場では、こうした動きの背景に、為替介入の局面に対する投資家の「学習効果」があるとの見方が出ている。当局が外為市場に介入してウォン安進行を抑え、ドルが下がると、個人投資家はそれを「米国株を割安に買える局面」と受け止め、再びドル買いに動くという構図だ。
実際、前月末の為替下落局面で米国株を一部売却していた個人投資家は、年初に入って相場が落ち着くと、国内株ではなく米国株の買いを積み増した。
韓国投資証券のムン・ダウン研究員は「昨年10~12月期は為替負担で鈍っていた海外投資が再び増えている。ドル需要の拡大が、為替の下落を抑える要因になっている」と分析した。
金融当局は対応を急いでいる。米国株に向かう個人投資家の買いが、外為市場の不安要因になっているためだ。個人が米国株を買うにはウォンを売ってドルを買う必要があり、大規模な両替需要がウォン・ドル相場の上昇、すなわちウォン安を促すとみている。
金融監督院のイ・チャンジン氏はこの日の市場状況点検会議で、「最近のKOSPI上昇にもかかわらず、海外資産価格の上昇に対する漠然とした期待から、海外株投資や外貨建て金融商品の販売が増えている」と指摘した。
その上で、「海外資産に対する一方向の期待で資金の偏りが深まっている」として、個人投資家の国内市場回帰を促す方策を早期に整えるよう求めた。
当局は昨年末、国内株回帰策の一環として、海外株を売却して国内市場に戻る投資家に非課税メリットを与える「国内市場復帰口座」(RIA)を発表した。RIAは来月にも導入し、金融機関に対して過度な海外株マーケティングの自制も引き続き促す方針だ。
もっとも、市場の反応は鈍い。2025年の米国株市場では主要3指数が人工知能(AI)関連の成長を追い風に15~20%上昇した一方、KOSPIが4700に迫る局面でも国内株には「再び下がるのではないか」との不信感が残っているためだ。
急騰後の調整局面で、どこまで下押し圧力が強まり得るのか見通しにくいことも、投資家心理の重荷になっているとみられる。
金融投資業界の関係者は「当局の政策と実際の市場との温度差が依然として大きいということだ」とした上で、「投資家の資金はいずれ魅力のある市場に向かう。商法改正や株主還元策などに、より力を入れる必要がある」と述べた。