写真=LG CNS社長

LG CNSは2025年の重点戦略として、ロボットを含む現実空間とAIを結び付ける「Physical AI」事業を本格展開する。製造・物流分野で蓄積してきた業務知見とAI、SIの強みを生かし、高付加価値業務の自動化を狙う。

同社は、ロボットを単なる機器ではなく、実際の業務を担える存在へと高度化する方針だ。ヒョン・シンギュン社長は、ロボット基盤に同社が保有する多様な産業データをファインチューニングし、実運用に耐えるロボットの実現を進めていると説明した。

そのうえで、導入後の運用が重要だと強調する。ヒョン社長は、投入したロボットに継続的に学習させ、業務を適切にこなせているかを監視し、必要に応じて再学習させるプロセスが、産業現場への本格導入の鍵になると述べた。

LG CNSによると、韓国は製造業の比重が高く、熟練を要する工程も多い。多様な産業基盤を持つことから、Physical AIの検証と高度化を進めやすい市場だという。

ヒョン社長は、製造業中心の韓国市場を足場にPhysical AI技術を迅速に確保し、現場適用を通じて競争力につなげていると説明したうえで、「産業現場を最もよく知るLG CNSがPhysical AI市場を主導する」と述べた。

戦略の柱となるのが「Maestro」だ。単体ロボットの導入にとどまらず、メーカーや用途の異なる複数のロボットをチームのように連携させるため、全体システムの設計と調整を担う構想という。

実現に向けては、ロボットの学習からテスト、検証までを一貫して手掛ける。製造や物流の現場では、工程ごとに役割や作業の進め方が異なるため、実際の業務フローを深く理解することが最も重要だとしている。

ヒョン社長は、同社が多様な産業現場を経験してきたことで、「どの業務がどのような方式で進むのか」「各段階でどのような判断やノウハウが必要なのか」を高い解像度で把握していると述べた。

さらに、業種ごとの工程特性や難易度、作業プロセスを総合的に踏まえ、ロボットに現場での仕事の進め方を学習させることで、現場固有の言語やルールを理解する「産業知能」を備えさせているという。

LG CNSは、ロボットが現場データを継続的に学習できるデータプラットフォームの構築も進めている。環境や作業条件が刻々と変わっても、ロボットが自律的に適応し、より精緻な業務を遂行できるようにする考えだ。

Physical AI戦略はハードウェア領域にも広がる。産業用ヒューマノイドロボットをスマートファクトリーやスマート物流の現場で活用するため、実証を加速している。

現在は、10社あまりの顧客企業の工場や物流センターでPoCを進めている。造船分野では、船舶部品が適切に組み立てられているかを検査するヒューマノイドロボットを検証中だ。物流センターでは、荷箱の積み付けや空箱の回収などを担うヒューマノイドロボットのPoCを進めている。

同社が特に注力するのは、従来のロボットでは対応が難しかった高付加価値業務の自動化だ。瞬時の判断が求められる工程や、作業内容が頻繁に変わる工程、安全リスクが高く作業者の負担が重い業務にヒューマノイドロボットを投入し、生産性と安全性の向上を同時に狙う。

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