放送メディア通信委員会は、2025年10月の発足から100日を超えても国会推薦枠の委員構成が整わず、全体会議を一度も開けていない。放送、通信、プラットフォームを統括する新たな規制・調整機関として発足したが、政策決定は事実上止まったままだ。正常化は早くても1月末になるとの見方が出ている。
同委は2025年10月1日に正式発足した。放送、通信、プラットフォームを包括する統合的な規制・調整機関として、急速に変化するメディア環境への対応を掲げていたが、発足後は政策を決める全体会議を一度も開催できていない。
背景にあるのは、国会推薦枠の委員推薦の遅れだ。設置法によると、委員会は委員長を含む常任委員3人と非常任委員4人の計7人で構成する。常任委員は大統領と与野党が各1人を推薦し、非常任委員は大統領と与党が各1人、野党が2人を推薦する仕組みだ。
全体会議は委員7人のうち4人以上が出席すれば開会でき、議決には出席委員の過半数の賛成が必要となる。現在は、大統領が指名・委嘱したキム・ジョンチョル委員長とリュ・シンファン非常任委員の2人しかいない。これに共に民主党が与党枠の2人(常任委員1人、非常任委員1人)を推薦すれば、全体会議の開催は可能になる。
ただ、共に民主党の公募手続きは停滞している。2025年12月に公募を始め、候補者面接まで実施したが、その後に追加公募を行ったため、最終決定が遅れている。野党・国民の力の推薦も進んでおらず、先月に候補者公募を締め切ったものの、面接日程はまだ決まっていない。
共に民主党は、11日に院内代表選挙が終わったことを受け、委員推薦を加速させるとしている。ただ、公募の開始自体が遅れたため、具体的な陣容が固まるのは早くても月末になる見通しだ。
委員会側も、国会に早期の推薦を求めている。キム委員長は8日、ウ・ウォンシク国会議長と面会し、委員構成の遅れが深刻だと訴えた。キム委員長は「放送メディア通信委員会は合議制機関で、私一人でできることは何もない」とした上で、「国会の交渉団体とともに委員会を早く構成していただいてこそ、山積する懸案を解決できる」と述べた。
委員構成の遅れは、政策の空白にもつながっている。放送メディア通信委員会は、構成が整い次第、放送3法改正に伴う施行令の制定・改正、地上波の再許可審査、公営放送の正常化といった重要課題を処理しなければならない。端末流通法の廃止に伴う電気通信事業法施行令の改正や、海外ビッグテックによるアプリ内決済の強制を巡る違反行為への課徴金賦課も課題として挙がっている。
先月の閣議で議決された「虚偽・捏造情報根絶法」の下位法令改正も同委の所管だが、委員構成の遅れで検討に着手できていない。キム委員長は就任後、虚偽・捏造情報への厳格な対応の必要性を繰り返し強調してきたが、政策はなお実行段階に進んでいない。
業界では、法曹関係者に偏った人選を見直すべきだとの声も出ている。キム委員長は延世大学ロースクール教授で、リュ非常任委員は弁護士出身だ。事情に詳しい関係者は「与野党は政治的な駆け引きにとらわれず、一日も早く推薦を終えるべきだ」とした上で、「放送メディア分野での経験を軸に、懸案に対応できる委員を選ぶ必要がある」と話した。