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NCsoftは2月7日、MMORPG「Lineage Classic」を韓国と台湾で同時にサービス開始する。1998年に登場した「Lineage」の初期版を再構成したタイトルで、同社にとっては2026年の業績回復を占う重要タイトルとなる。

今回の投入は、単なる既存IPの再活用にとどまらない。市場では、今後の事業運営やブランド再構築の方向性を見極める試金石になるとの見方が出ている。

2025年11月にリリースした「AION2」は、配信開始から6週間で決済額が1000億ウォンを超えた。「Lineage Classic」がこの流れを引き継ぎ、中長期で安定収益源として定着できるかが焦点だ。

◆月額制に回帰 収益性と利用者負担のバランス探る

戦略の柱は、収益モデルの見直しにある。NCsoftは月額2万9700ウォンの定額制を打ち出し、参入ハードルを抑えた。

利用者の負担を軽くしつつ、IPの持続性も確保する現実的な落としどころを探った形だ。

証券各社は、月額制を基本としながら追加収益を確保する仕組みも併用するとみている。ユアンタ証券のイ・チャンヨン研究員は、ゲーム体験を高める一部の確率型アイテムが加わる可能性があると指摘した。利用者の競争心理を刺激し、ARPUの押し上げにつなげるとの見方だ。

一方で運営面では、公平性を巡って問題視されてきた論点に一定の線引きを示した。NCsoftは1月12日、公式サイトでサービス方針に関するFAQを公開し、「プロモーション目的の配信者施策はサービス期間中に実施しない予定」と明らかにした。一般利用者との公平性を巡り、オンラインコミュニティで反発が強かった点に対応した格好だ。

◆4Qは会計要因で伸び悩み 2026年1Qが本格回復局面に

財務面では、「Lineage Classic」が業績正常化に向けた最後のピースになるとの見方が強い。NCsoftの2025年10〜12月期は、「AION2」の売り上げの一部が会計上、2026年1〜3月期に繰り延べ計上されるため、市場予想を下回る可能性がある。

金融情報会社FnGuideによると、2025年10〜12月期の売上高は4126億ウォン、営業利益は31億ウォンの見通し。これに対し、2026年1〜3月期は売上高4907億ウォン、営業利益855億ウォンとなり、前年同期比ではそれぞれ36.2%増、1537.2%増が見込まれている。

市場では、2025年10〜12月期の弱さは会計処理による一時的な見かけにすぎず、繰り延べられた「AION2」の売上高に「Lineage Classic」の寄与が加わる2026年1〜3月期が、ターンアラウンドの分岐点になるとみられている。

既存の「Lineage」シリーズとのカニバリゼーション懸念についても、証券業界ではプラス効果のほうが大きいとの分析が出ている。韓国投資証券のチョン・ホユン研究員は、市場定着が進めば2026年4〜6月期から相応の業績寄与が期待できると述べた。

ハナ証券のイ・ジュノ研究員は、過去の利用者の復帰需要は大きいとして、2026年通期の売上高を約895億ウォンと推計した。NCsoftは2025年12月、カジュアルゲーム会社Indigo Groupの持ち分を1500億ウォンで取得しており、事業ポートフォリオの多角化も進めている。

MMORPGでは「Lineage Classic」で既存ファン層を固める一方、カジュアル分野はM&Aで裾野を広げる構えだ。

◆完全手動プレイに期待 問われるのは運営の一貫性

成否を左右するのは、利用者が記憶する「当時のLineage」をどこまで忠実に再現できるかにある。オンラインコミュニティやYouTubeでは、自動狩りの不採用、取引所ではなく直接取引の維持、アイテム消失ペナルティの継続などが成功条件として挙げられてきた。

利便性を優先して最新システムを入れすぎれば、「Classic」としての独自性が損なわれるとの懸念が背景にある。

NCsoftは1月12日に公開したFAQで、こうした要望を相当程度受け入れる姿勢を示した。開発陣は「当時のまま、100%手動プレイ環境で提供する」としたうえで、「自分で狩り、自分で動き、自分で積み上げる体験を最も重視する」と説明している。

もっとも、サービス開始後の不便さに応じて柔軟に対応し、自動プレイを導入する場合でも特定ダンジョンに限るなど、限定的な適用にとどめる可能性があるとした。

過去の成長を後押しした「アインハサドの祝福」や類似システムは導入しない。キャラクター復旧システムは用意するが、100%復旧は行わず、経験値ペナルティによる緊張感は維持する方針だ。

初期の目標レベルは52。エピソード進行に合わせてアデンまで拡張し、最終的にはレベル70を目標に運営する計画としている。

かつてのPCバン文化を再現する施策も盛り込む。AC-3効果を常時提供するほか、「ピクシーの羽」システムを通じて消耗品の製作やダンジョン利用で特典を付与する。

ショックスタンや精霊魔法など、各クラスの中核スキルはボス報酬で獲得する設計とし、狩りや戦闘の緊張感を高めた。射幸性を抑えた「スライム競技場」も導入する。

事前登録特典として、かつて“国民アイテム”と呼ばれた「骨セット(骸骨兜・骨角盾)」を配布するほか、「52レベル・デスナイト」達成イベントも予告した。30〜40代ユーザーのノスタルジー喚起を狙う。

韓国と台湾にはそれぞれ10サーバーを用意する。内訳はPvPが9、Non-PvPが1。デポロジュ、ケンラウヘルなど、過去のサーバー名もそのまま採用する。

もっとも、不安要素が消えたわけではない。収益性を優先して過度な課金商品を追加したり、運営で利用者の信頼を損ねたりすれば、「良心的なゲーム」を期待して戻ってきた利用者が再び離れる可能性がある。

FAQで「自動プレイは今後、限定的に導入される可能性がある」とした点や、「スキンシステムをシーズンに応じて提供する計画」との記載は、収益モデル拡張の余地を示すものとして注目されている。

「Lineage Classic」が長期運営に耐えうるかどうかは、目先の売り上げよりも、利用者との約束を守る誠実な運営を示せるかにかかっている。

業界関係者は「Lineage Classicは、NCsoftにとって『Lineage=過度な課金』というイメージを払拭する最後の機会だ」と指摘する。「短期売上よりも、離れた古参ファンの信頼回復が重要で、それが実現してこそ2026年以降の次回作の興行基盤にもなる」との見方を示した。

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