2024年10〜12月期の決算発表を前に、韓国の証券大手5社の業績が市場予想を上回る見通しとなっている。国内株式市場の売買代金が過去最高水準まで膨らみ、委託手数料収入が急増したことに加え、海外有望企業への投資に伴う評価益も押し上げ要因となった。
金融投資業界によると、Mirae Asset Securities、Korea Financial Group、NH Investment & Securities、Samsung Securities、Kiwoom Securitiesの主要5社の2024年10〜12月期の親会社株主に帰属する純利益合計は約1兆5026億ウォンと推計される。市場予想平均(コンセンサス)の1兆2804億ウォンを17.4%上回る水準だ。
業績改善の最大の要因は、記録的な売買代金の増加にある。2024年10〜12月期の韓国株式市場(KOSPIとKOSDAQ)の1日平均売買代金は36兆9000億ウォンとなり、前四半期比43%増で過去最高水準を記録した。
これに伴い、5社合計の委託手数料収入は前年同期比99.6%増の1兆6214億ウォンに達する見通しだ。前四半期比でも35.8%増となる。
Daishin Securitiesのアナリスト、パク・ヘジン氏は「10〜12月期は季節要因で利益が伸びにくい四半期だが、今回は“クレイジー・ブローカレッジ”と呼べるほど売買代金が急増し、収益を大きく押し上げた」と分析した。
個別企業ではMirae Asset Securitiesの伸びが目立つ。10〜12月期の純利益は、Hana Securitiesの予想で前年同期比25.3%増の3346億ウォン、Daishin Securitiesの予想では最大3942億ウォンに達する見込みだ。
同社の業績拡大には、イーロン・マスク氏関連の人工知能(AI)企業への投資が寄与した。証券業界では、xAIの企業価値が投資時点に比べ約4.6倍に上昇し、Mirae Asset Securitiesが10〜12月期だけで3000億ウォン超の評価益を計上したとみている。
Hana Securitiesのアナリスト、コ・ヨンス氏は「Mirae Asset SecuritiesはxAIに加え、SpaceXなど未上場の革新企業にも先行投資してきた」と指摘した。そのうえで、来年1〜3月期にはSpaceXの評価益も反映される見通しで、業績改善基調が続くとの見方を示した。海外商業用不動産関連の損失負担についても、こうした投資利益で十分に吸収できると分析した。
委託売買に強みを持つKiwoom SecuritiesとKorea Financial Groupも、過去最高水準の業績が見込まれている。
個人投資家比率の高いKiwoom Securitiesは、10〜12月期の純利益が約2964億ウォンと前年同期比102.4%増になる見通しだ。国内株市場の活況を受け、委託手数料収入だけで2000億ウォンを超え、業績をけん引した。
Korea Financial Groupも10〜12月期の純利益が3701億ウォンとなり、前年同期の994億ウォンに比べ272.5%増と大幅な増益が見込まれる。NH Investment & Securitiesは2117億ウォンで92.4%増、Samsung Securitiesは2302億ウォンで55.9%増が予想されている。
証券業界では、こうした好調が2026年も続くとみている。実際、2026年1月に入ってからも国内株式市場の1日平均売買代金は50兆ウォンを超え、高水準の取引が続いているという。
半導体市況の「スーパーサイクル」入りに加え、AIやバイオなど先端産業を中心とした株価上昇が投資家心理を刺激しているとの見方が出ている。政府によるKOSDAQ市場活性化策や、「国民成長ファンド」など税制優遇策の導入予告も、証券株には追い風と受け止められている。
パク氏は「政府主導のベンチャー投資活性化策は、KOSDAQ市場への資金流入を加速させる」としたうえで、「KOSDAQの取引比率が高いKiwoom Securitiesなどが最も大きな恩恵を受ける」との見通しを示した。
証券業界関係者は「不動産PFリスクは徐々に解消局面に入り、個人投資家の資金シフトも加速している。証券会社の収益基盤はこれまで以上に強くなっている」と指摘。そのうえで「今年1〜3月期も過去最高益の更新が続く可能性が高い」と話した。