ARK Investのキャシー・ウッド氏は、トランプ米大統領が2026年にビットコインを直接購入する可能性があるとの見方を示した。現行の大統領令では、ビットコイン準備金は予算中立の範囲で運用され、政府が押収した分の保有にとどまっているが、中間選挙を前に政策が転換する可能性があるという。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicは1月9日、ウッド氏が番組「Bitcoin Brainstorm」の最新回に出演し、Bitcoin Park創設者のロッド・ルディ氏、ARK Investでデジタル資産リサーチを統括するロレンゾ・バレンテ氏と、米政府のビットコイン準備金政策の行方を議論したと報じた。
報道によると、トランプ大統領は大統領選で掲げたビットコイン戦略備蓄の創設に関連する大統領令を承認した。ただ、現時点で準備金として計上されているのは、執行過程で政府が押収したビットコインに限られている。
大統領令では、ビットコインの購入は「予算中立的な方法」に限定されており、政府はこれまで実際の買い付けには踏み切っていないという。
ウッド氏は、こうした状況が2026年の中間選挙を前に変わる可能性があるとみる。任期後半のレームダック化を避け、目に見える成果を示す必要があることから、トランプ大統領が押収分の保有にとどまらず、直接購入へ動く余地があると指摘した。
またウッド氏は、トランプ大統領がデイビッド・サックス氏と連携し、規制の明確化を進めながら暗号資産の採用を本格的に後押しする可能性にも言及した。
その上で、構想としては米政府が最大100万BTCを保有することが想定されていたものの、実際の購入措置はなお実行されていないと述べた。
これに先立ち、シンシア・ルミス上院議員は、米政府が最大100万BTCを購入・保有する内容のビットコイン法案について、国家債務問題の解決に資する可能性があると主張していた。ただ、同法案は現時点で議会で目立った進展を見せていない。
ウッド氏は、トランプ大統領がビットコイン準備金政策の方向性を見直す政治的な理由は十分にあると強調した。暗号資産コミュニティの支持が大統領選勝利の一因になったことに加え、中間選挙でも同様に重要な役割を果たし得ること、さらにトランプ大統領の家族がビットコインやデジタル資産に多額の投資を行っていることを挙げた。
さらにウッド氏は、2026年の米国経済は一段と成長が強まるとの見通しも示した。法人税の実効税率の低さや加速償却制度といった企業寄りの政策が、投資拡大を促すとの見立てだ。
加速償却制度については、企業が事業初年度に主要な投資費用を全額控除できるため、税負担の大幅な軽減につながると説明した。こうした政策は、米国内での工場建設やビットコイン採掘施設の誘致を後押しし得るとしている。
加えて、米政府が60万BTC超を保有する企業のStrategyに投資し、間接的なビットコインエクスポージャーを拡大する案にも触れた。これにより、戦略備蓄の目標により早く近づける可能性があるという。
一方、バレンテ氏は、現行の大統領令では依然としてビットコイン購入が予算中立の方法に限られていると指摘した。そのため、実際に政策を転換するには追加の政治判断が必要になるとの見方を示した。