ビットコインを多く保有する上場企業の間で、株価が保有ビットコインの純資産価値(NAV)を下回る動きが広がっている。暗号資産のマクロアナリスト、アレックス・クルーガー氏によると、ビットコイン保有上位100社のうち少なくとも37社(全体の約4割)がNAV割れの状態にある。
クルーガー氏は、こうした状況が2020年にGrayscale Bitcoin Trust(GBTC)のプレミアムが崩れる直前の局面に似ていると指摘した。GBTCは当時、長期間にわたってNAVを上回るプレミアムで取引されていたが、市場需要の減退と資金流入の鈍化を受けてプレミアムが急速に縮小し、大きな損失を招いた。
足元では、株価がNAVを下回ったことで、既存株主の希薄化を抑えながら追加資金を調達することが事実上難しくなっている。これにより、ビットコインを買い増す財務戦略の拡大余地には限界が見え始めたとの見方も出ている。代表的なビットコイン保有企業であるMicroStrategyは、保有ビットコイン価値に対して約17%低い水準で取引されている。
業界では、こうした構造的な制約が当面続く可能性が高いとみられている。中小型の上場企業を中心に、業界再編やM&Aにつながる可能性も指摘されている。
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