D2Cのイメージ写真(写真:ナノバナナ)

2026年に300兆ウォン規模へ拡大すると見込まれるEC市場で、創業者や新興ブランドの間で自社ECによるD2Cに注目が集まっている。市場成長の一方で競争は激しさを増し、大手プラットフォームへの出店は集客面で魅力がある半面、手数料負担や精算リスク、露出アルゴリズムの変更に左右されやすい構造が課題となっているためだ。

こうしたなか、自社ECを通じて顧客接点と販売データを自社で握ろうとする動きが広がっている。D2Cの成功事例が増えたことで、創業段階から自社ECを軸に事業を立ち上げるケースも目立ち始めた。

◆手数料、精算、アルゴリズム変更リスク D2Cに関心集まる

世界市場調査会社eMarketerは、今年の世界EC市場規模を6兆8800億ドルと予測した。JPモルガンは、韓国のオンラインショッピング取引額が300兆ウォンを超えるとみている。

EC市場は急拡大しているが、主導権は依然として大手プラットフォーム側にある。成長の恩恵もプラットフォームに集中しやすく、中小の販売事業者は高い手数料や精算の遅れ、不透明さに直面しやすい。

昨年のTMON・Wemakepriceの精算遅延問題は、特定プラットフォームへの依存度が高い事業者ほどリスクが大きいことを浮き彫りにした。こうした状況を受け、自社ECはリスク分散策として存在感を高めている。

競争力のある商品を持つ事業者であれば、自社ECを通じて決済代行(PG)事業者と直接契約し、精算サイクルの短縮や売上データの自社管理が可能になる。プラットフォームの方針変更や手数料引き上げの影響も相対的に受けにくい。TMON・Wemakeprice問題や中国系ECの攻勢を受け、D2Cブランドの構築は単なる販路拡大ではなく、事業リスク管理の観点からも重要だとの認識が広がっている。

ブランド差別化の面でも、自社ECには優位性がある。EC業界関係者は「D2Cなら価格比較中心の場から離れ、ブランド独自のストーリーやサービスを打ち出せる」とし、「リピート率を高め、ロイヤル顧客を獲得するには自社ECの運営が欠かせない」と話した。

◆Kカルチャー人気で海外展開にも追い風 ワンストップ支援への関心高まる

海外展開の面でも、D2Cは有力な選択肢になりつつある。とりわけKカルチャー人気を背景に、関連ブランドのD2C展開への関心が高い。Kコンテンツに魅了された世界のファンダムを、ブランドの世界観を反映したD2Cショップへ取り込めれば、新たな成長機会につながるとの見方がある。

韓国輸出入銀行の分析によると、Kコンテンツ輸出が1億ドル増えるごとに、消費財輸出には約1.8倍の増加効果があった。世界販売比率の高いJYP、YG、SMに加え、Kフードで注目されるSamyang Foods、Nongshim、KビューティーブランドのSisterannなども、グローバル直販を進めている。

これらの取り組みは、グローバルECプラットフォームのCafe24を基盤に構築された。Cafe24は、海外販売で大きなハードルとなる決済と物流のインフラを一体的に提供し、参入障壁の引き下げを図っている。

決済ではPayPalやAlipayに加え、日本のSBPS、東南アジアのMOLPayなど各地域の決済網に対応する。物流面でも、EMS、DHL、日本の佐川、海上輸送のPanStarなどのネットワークをプラットフォーム上で一元管理できるとしている。

EC業界関係者は「今年はプラットフォーム依存を下げ、顧客データを自社で確保する企業が競争力を持つ」と指摘する。そのうえで「創業初期でも適切なITインフラを活用すれば、自社ECを軸にしたビジネスモデルは十分に構築できる」と述べた。

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