株式市場でAI関連銘柄の値動きが一段と大きくなっている。AI半導体やAIモデル開発、クラウド分野にとどまらず、AIデータセンター向け部材を手がける企業や関連資源にも資金が集中し、1日のうちに株価が急騰・急落する場面が目立っている。
6日(現地時間)には、NANDフラッシュメモリ大手のSanDisk株が27%上昇した。The Informationによると、Morgan StanleyがNANDフラッシュ価格の上昇幅が想定を上回る可能性を指摘したことが背景とみられる。
NANDフラッシュ需要は、AIデータセンター向け需要の拡大を追い風にここ数カ月で大きく増えている。これを受けてSanDisk株は上昇基調を強めており、前年には559%上昇し、2026年に入ってからも騰勢が続き、年初の3営業日だけで47%上昇した。
SanDisk株には、NVIDIAの発表も追い風となった。Bank of Americaのアナリスト、ワムシ・モハン氏は、ジェンスン・フアンCEOが米ラスベガスで開催されたIT見本市「CES 2026」で発表した新型チップに注目した。同チップは、NVIDIA BlueField-4に接続する専用ストレージ層を通じ、より大きなコンテキストウィンドウを処理できるよう設計されているという。
モハン氏は「NANDフラッシュはAI推論において、より重要なレイヤーになりつつある」と指摘した。
TrendForceのデータでは、NANDフラッシュ価格は2024年10~12月期に前期比20~30%上昇した。2025年1~3月期には、さらに30%以上上昇する可能性があるとみられている。
一方で、AIブームの恩恵を受けてきた銘柄でも、悪材料が出れば売りが一気に膨らむ。NVIDIAのような影響力の大きい企業が技術や製品を更新するたびに、関連銘柄の物色に変化が生じる構図だ。足元では、データセンター向け冷却装置の関連銘柄がジェンスン・フアンCEOの発言を受けて下落した。
Bloombergによると、同CEOが5日、自社の新しいAIサーバーラックは外部冷却装置を必要としないと述べたことを受け、投資家はModine ManufacturingやJohnson Controlsなどの株式を売却した。
これらの企業は直近までAIデータセンター拡大の恩恵銘柄とみられていたが、市場の見方は変わった。昨年、データセンター市場の開拓に向けて米国内の製造基盤を大幅に拡充する計画を示していたModine Manufacturingは、6日に7.5%下落した。
ジェンスン・フアンCEOの発言は、銅価格の先高観を強める材料にもなった。CES 2026で同CEOは、「新型NVIDIA AIチップラックには2マイル(3.2キロ)の銅ケーブルが使われている」としたうえで、「銅はわれわれが知る中で最高の導体だ」と強調した。
Reutersによると、銅価格はデータセンター需要を背景に前年から大きく上昇している。今回の発言を受け、需給逼迫観測がさらに強まる可能性がある。
もっとも、銅高はデータセンター開発企業だけでなく、幅広い産業にとってコスト増要因となる。スマートフォンやノートPCなどに広く使われるNANDフラッシュの値上がりも同様だ。Morgan Stanleyは、NANDフラッシュ価格の上昇がスマートフォンメーカーのコストを押し上げ、端末価格の引き上げにつながる可能性が高いと予測している。