ソウル市内のKT代理店。写真=聯合ニュース

KTが違約金免除に踏み切った後、同社から流出した利用者の約7割がSKTに移ったことが分かった。KTの補償策に料金割引が盛り込まれなかった一方、SKTは補償や割引、店頭販促を前面に打ち出しており、番号移動の受け皿となっている。

業界によると、KTが違約金免除を始めた2025年12月31日から2026年1月7日までの流出者数は計13万599人。このうち74%がSKTを選んだ。日次では、KTからSKTへの移転が2万8000件を超えた日もあった。

背景には、両社の補償策の違いがある。SKTは2025年7月、ハッキング問題を受けて5000億ウォン規模の顧客補償策を打ち出し、料金割引や付帯特典の拡充を盛り込んだ。これに対し、KTの補償策には料金割引が含まれなかった。

KTは補償規模を約4500億ウォンと見積もったが、通信料金の負担軽減という点では効果が限られるとの見方が出ている。この違いが、顧客流出の一因になった可能性がある。

事故に対する利用者の受け止め方にも差がある。個人情報流出の規模はSKTの方が大きかったが、KTでは直接的な金銭被害が発生した。業界関係者は「KTの加入者は不安が大きいにもかかわらず、補償は相対的に小さいという受け止めがあったのではないか」と話す。

過去にUSIMハッキング事故を経験したSKTが、比較的早い段階で謝罪と補償方針を示したことも、今回の局面では信頼回復につながったとの見方がある。通信業界関係者は「事故そのものより、その後の対応が顧客心理を左右する。SKTは過去の経験を通じて危機対応の手順を整えてきた」と指摘した。

メンバーシップ施策も流入を後押ししている。SKTは、2025年4月19日から7月14日までに自社回線を解約した顧客が36カ月以内に再加入した場合、解約前の加入年数とTメンバーシップの等級をそのまま復元する方針だ。

こうした施策は長期利用者ほど効果を実感しやすい。加入年数に応じて料金割引の幅が広がるためだ。USIMハッキングへの不安からいったんSKTを離れたものの、KTでも安心できないとの認識がSKTへの再加入を促したとの分析もある。業界関係者は「USIMハッキング時にKTへ移り、その後SKTへ戻る“Uターン”利用者は少なくないだろう」と語った。

SKTは店頭販促も強めている。特定料金プランの契約者に料金を還元する施策を進めるほか、一部の販売網では端末を買い替えずUSIMのみ変更する場合でも補助金を支給し、KTからの流出顧客の取り込みを進めているという。

一方で、中長期的な業績面ではKTの判断が相対的に有利に働く可能性があるとの見方もある。別の通信業界関係者は「KTは料金割引を外すことで、通信料収入のキャッシュフローへの直接的な影響を抑えた。短期的な顧客流出は避けにくいが、業績悪化の幅はSKTより限定的になり得る」と話した。

実際、SKTはハッキング事故があった2025年第3四半期の連結営業利益が前年同期比90.9%減となった。ハッキングそのものによる直接の金銭損失はなかったが、料金割引や顧客補償のコストが業績を大きく圧迫した。これに対し、料金割引を見送ったKTは、通信料収入に基づくキャッシュフローを一定程度維持できるとみられている。

LG U+とMVNOもKTからの流出顧客を一部取り込んだが、SKTとの差は大きい。LG U+が獲得したKT流出顧客は日次で4000~7000人規模にとどまった。MVNOへの移転も、全体の流れを変える水準には至っていないという。

KTの違約金免除の期限は1月13日まで。業界では、免除終了までは番号移動需要が続くとみている。Galaxy S26の発売前までは、市場はいったん小休止に入るとの見方も出ている。

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