5Gスタンドアロン(SA)への移行が焦点となっている(写真=Shutterstock)

韓国で5Gスタンドアロン(SA)への移行が本格化する見通しとなった。韓国科学技術情報通信部はこのほど公表した周波数再割り当ての詳細政策案で、5Gスタンドアロン(SA)への移行を義務付けた。AIや6G時代を見据え、通信基盤の高度化を促す狙いがある。

韓国の5Gサービスはこれまで、LTEと5Gを併用するノンスタンドアロン(NSA)が主流となってきた。NSAは5G基地局を利用する一方で、制御信号や一部データはLTEのコアネットワークを経由する仕組みだ。

これに対しSAは、無線とコアネットワークの双方を5Gで構成する。超低遅延や多数同時接続、ネットワークスライシングの面では、NSAより優位性があるとされる。業界では、通信3社がそろってSAを導入すれば、AI時代を見据えたネットワーク高度化が本格化するとの見方が出ている。

韓国ではこれまで、通信3社のうちKTだけが一部ユーザー向けにSAサービスを提供してきた。SK TelecomとLG UplusはNSA方式で5Gを運用していた。

なかでもネットワークスライシングは、AI時代を支える中核技術の1つと位置付けられている。単一の物理通信網を複数の独立した仮想ネットワークに分割し、サービス特性に応じた品質を保証できるためだ。

例えば、コネクテッドカーには超低遅延を重視したネットワークを割り当て、ストリーミングサービスには大容量通信に最適化したネットワークを配分するといった活用が想定される。

Ericssonはモビリティレポートで、「ネットワークスライシングなどSAの機能は実験段階を超え、商用サービスとして本格普及の段階に入った」と指摘した。あわせて、「アップリンクトラフィックの増加に対応するSAネットワークも投入されている」とした。

SAへの移行は、AI時代への対応という面でも重要になる。大規模言語モデル(LLM)などのAIソリューションを円滑に活用するには、ダウンリンクだけでなく、データ送信を担うアップリンク性能の確保が欠かせないためだ。

SAは、AI処理に必要なデータを基地局に送るアップリンクトラフィックにも、より柔軟に対応できるとみられている。

政府も移行促進を急ぐ。周波数再割り当ての対価算定にSA移行実績を反映し、今後は通信3社に対し、5G無線局をLTEコアネットワークから切り離し、5G単独コアネットワークに接続するよう求める。

要件を満たさない場合、韓国科学技術情報通信部は是正命令などを通じて、速やかなSA移行を促す方針だ。

毎年実施している通信サービス品質評価にも、SAの評価項目を盛り込む。韓国科学技術情報通信部の関係者は「SA移行の進捗次第では、早ければ今年の品質評価から反映できる」と述べた。

同部は年内に、超低遅延や多数同時接続、ネットワークスライシングなど、SAの特性に対応した評価指標を整備する計画だ。

別の同部関係者は「国家通信ネットワークの高度化という観点からも、SAへの移行が必要だと判断した」と説明した。そのうえで、「利用者が体感できる具体的な性能測定方式を継続的に開発していく」と話した。

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