韓国産業通商資源部は1月7日、2025年の外国人直接投資(FDI)申告額が360億5000万ドル(約5兆4075億円)となり、過去最大を更新したと発表した。米国とEUからの投資増加が全体を押し上げ、グリーンフィールド投資も過去最高を記録した。
申告額は前年比4.3%増だった。実行額は179億5000万ドル(約2兆6925億円)で、同16.3%増となり、過去3番目の高水準となった。
同部によると、上半期は投資が14.6%減と低調だったが、下半期に入って投資心理が持ち直した。新政権発足後の経済・産業に対する信認の改善に加え、政府のAI政策や、慶州で開かれたAPEC首脳会議に合わせた投資誘致活動が追い風になったとしている。
投資形態別では、新設投資に当たるグリーンフィールド投資が285億9000万ドル(約4兆2885億円)で、前年比7.1%増となり過去最高を更新した。一方、M&Aは74億6000万ドル(約1兆1190億円)で同5.1%減だった。第3四半期には54.0%減まで落ち込んだが、その後は減少幅が縮小した。グリーンフィールド投資は、既存事業の買収ではなく、拠点や設備を新たに立ち上げる投資を指す。
業種別では、製造業向け投資が157億7000万ドル(約2兆3655億円)で8.8%増だった。化学工業は58億1000万ドル(約8715億円)で99.5%増、金属は27億4000万ドル(約4110億円)で272.2%増と大きく伸びた。サプライチェーン強化に向けた中核素材分野への投資が集中したという。これに対し、電気・電子は35億9000万ドル(約5385億円)で31.6%減、機械設備・医療精密は8億5000万ドル(約1275億円)で63.7%減だった。
サービス業向け投資は190億5000万ドル(約2兆8575億円)で6.8%増となった。AIデータセンターやオンラインプラットフォーム向け投資の拡大を背景に、流通は29億3000万ドル(約4395億円)で71.0%増、情報通信は23億4000万ドル(約3510億円)で9.2%増だった。研究開発、専門・科学技術サービスは19億7000万ドル(約2955億円)で43.6%増となった。一方、金融保険は74億5000万ドル(約1兆1175億円)で10.6%減だった。
国・地域別では、米国が97億7000万ドル(約1兆4655億円)で86.6%増となり、金属、流通、情報通信を中心に増加した。EUは化学工業と流通を軸に69億2000万ドル(約1兆380億円)で35.7%増だった。日本は44億ドル(約6600億円)で28.1%減、中国は35億9000万ドル(約5385億円)で38.0%減となった。
同部は、投資総額の拡大に加え、地域経済の活性化や雇用創出への波及効果が大きいグリーンフィールド投資が過去最高となった点を前向きに評価した。その上で、AI、半導体、バイオなど先端産業と連動する質の高い投資流入が今後さらに拡大し、韓国の経済・産業の高度化に寄与するとの見方を示した。