写真=Donut Labs

フィンランドの電池スタートアップDonut Labsは1月5日、全固体電池の量産開始を発表した。エネルギー密度は400Wh/kgで、電動モーターサイクルメーカーVerge Motorcyclesのフラッグシップモデルに採用されたという。

EV関連メディアのCleanTechnicaが同日、報じた。Donut Labsによると、新たに量産を始めた全固体電池は400Wh/kgのエネルギー密度を実現した。市販の高性能リチウムイオン電池の一般的な水準とされる250〜300Wh/kgを上回り、同社はテスラ製電池の約2倍に相当するとしている。

同社の説明では、この電池はマイナス30度から100℃までの温度域で動作可能で、充電サイクル寿命は10万回を超えるという。

また、液体電解質を使わない構造のため、発火や爆発のリスクを抑えられ、従来のリチウムイオン電池に比べて安全性が大幅に高まったとしている。

この電池は、Verge Motorcyclesの電動モーターサイクル「TS Pro」と「TS Ultra」に採用された。両モデルは最大600kmの航続距離をうたい、200kWの急速充電に対応する。10分以内で80%まで充電できるとしている。

車両には、Donut Labsが「donut motors」と呼ぶインホイールモーターも搭載する。モーターをホイール内部に組み込む構造で、独特な外観とともに、700lb-ft超のトルクを実現するとしている。

Donut Labsは、こうした全固体電池とインホイールモーターの組み合わせによって、高性能な電動モーターサイクルを実現したとしている。

電池には、安全性が高く調達の安定した材料を使用し、コスト競争力も確保したという。セル単価は非公表だが、20.2kWhの電池を搭載するTS Proと、33.3kWhの電池を搭載するTS Ultraの価格は、いずれも約3万ユーロとしている。

同社は今回の技術について、航続距離や充電速度、性能劣化、温度安定性、コスト、サプライチェーンといった既存電池の課題を同時に解決できると主張した。あわせて、電池と電動モーターシステムを統合した垂直統合型プラットフォームを提供し、自動車メーカーやOEMが幅広い用途に技術を適用しやすくする方針も示した。

業界では、同社の電池が全固体のナトリウム系である可能性にも関心が集まっている。Donut Labsは具体的な化学組成を明らかにしていないが、主張どおりの性能が確認されれば、EVや船舶、定置用エネルギー貯蔵システムなど幅広い分野に影響を及ぼすとの見方が出ている。

Donut Labsの共同創業者兼CEO、マルコ・レティマキ氏は「いまは内燃機関が競争力を失い始める転換点だ。電動化が加速する契機になる」とコメントした。

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