Appleが2028年に投入するiPhoneで、初めて2億画素カメラを採用する可能性が浮上した。米ITメディア9to5Macによると、Morgan Stanleyは投資家向けノートで導入時期を2028年と予測した。センサーの供給元としてSamsung Electronicsが有力候補になるとの見方も示した。
同ノートは、Appleが2028年のiPhoneラインアップで2億画素カメラを初採用すると予測したもの。中国のWeiboで活動する情報提供者「Digital Chat Station」が2025年に2億画素カメラの開発可能性に言及していたが、導入時期まで踏み込んだ見通しが示されたのは今回が初めてとみられる。
現在のiPhoneは、メイン、超広角、望遠を含む背面カメラで4800万画素センサーを採用している。Appleはメインカメラを従来の1200万画素から4800万画素へ切り替え、画質向上を進めてきた。
もっとも、その後は画素数の拡大よりも、画像処理やセンサー制御、ソフトウェア最適化による完成度向上を重視してきたとの見方が強い。Morgan Stanleyも、この方針は2027年まで続く可能性が高く、短期的な高画素化よりカメラ全体の仕上がりを優先すると分析している。
そのうえで、2028年がカメラ戦略の転換点になる可能性があると指摘した。2億画素カメラの採用は単なるスペック向上にとどまらず、iPhoneの撮影機能全体の方向性を見直す動きになる可能性がある。このため、2028年モデルはカメラ性能を軸にした大幅刷新版になるとの見方も出ている。
部品供給網の面でも注目が集まる。Morgan Stanleyは、2億画素のカメラセンサーをSamsung Electronicsが供給する可能性があると予想した。
Samsung Electronicsはスマートフォン市場ではAppleの競合だが、ディスプレイなど主要部品では長年にわたり取引関係を維持してきた。今後投入が取り沙汰される「iPhone Fold」でも、折り目の目立たないディスプレイの供給元としてSamsungが挙げられている。
業界では今回の予測を、単なるセンサー更新以上の動きとして受け止めている。競合各社がすでに2億画素センサーを商用化しているなか、Appleの採用はスペック面での追随にとどまらず、自社エコシステムに最適化した高解像度の撮影体験を整える狙いがあるとの見方が出ている。
Appleはこれまで、画素数競争よりもコンピュテーショナルフォトグラフィーとセンサー活用の効率で差別化を図ってきた。このため2億画素化は、高解像度センサーを生かしたクロップ撮影や高倍率デジタルズーム、画像処理の自由度拡大に向けた基盤整備につながる可能性がある。実際の採用時期まではなお時間があるものの、2028年のiPhoneが中長期のカメラ戦略の節目になるかどうか、今後の動向が注目される。