SK hynixの利川キャンパスにあるHBM生産ラインを視察するチェ・テウォンSKグループ会長。写真=SK hynix

メモリ半導体の在庫が底を打った。DRAMの在庫は2〜3週分、NANDは6週分まで低下し、メーカー側だけでなく顧客側でも在庫不足が広がっている。需給の逼迫を受けて価格上昇が続いており、市場では2026年1〜3月期まで売り手優位の局面が続くとの見方が強い。4〜6月期以降は、各社の設備投資方針が需給サイクルの分岐点になりそうだ。

供給各社は2025年10月以降、生産を最大化しているものの、需給はなお改善していない。Daishin Securitiesは、生産能力(Capa)の追加活用余地が限られており、短期間で在庫を積み増しにくい構造だと分析した。2017〜2018年のスーパーサイクル時よりも多くの企業が調達に動いている一方、十分な購買力を持つ大口顧客しか必要量を確保できないほど需給は引き締まっているという。

課題は、顧客側の在庫もすでに低水準にある点だ。サーバー向け顧客は、汎用サーバー投資の拡大に備えて在庫を先行確保したい考えだが、肝心の供給が足りず、調達は難航している。

セットメーカーの状況はさらに厳しい。Daishin Securitiesは、一部セットメーカーの在庫が正常水準を下回っており、製品生産に支障が出る可能性も懸念され始めたとみている。

こうした需給環境を追い風に、供給各社は値上げを強めている。2025年10〜12月期は月を追うごとに価格が急騰した。Daishin Securitiesによると、2025年12月には一部顧客が前四半期比70%の固定取引価格引き上げを受け入れたと推定される。Samsung Electronicsの汎用DRAMのASP(平均販売価格)も、前四半期比43%上昇したとの分析を示した。

2026年1〜3月期までは、売り手優位の市場環境が続く見通しだ。顧客の発注ベースで見た2026年のDRAM需要は前年比30%超、NAND需要は同20%の成長が見込まれる。一方、設備投資(Capex)ベースの2026年の生産増加率は、DRAMが20%、NANDが17%にとどまる見通しだ。Daishin Securitiesは、2026年のDRAM大手3社の生産能力はすでに「ソールドアウト」の状態にあると分析している。

◆売り手市場継続、下期は投資判断が焦点

市場の焦点は4〜6月期以降に移る。HBM(高帯域幅メモリ)向けに生産能力が振り向けられることで、汎用DRAMの需給は一段と引き締まりやすい。供給各社が設備投資を引き上げない限り、需給の緩和は見込みにくいという見方だ。

もっとも、Daishin Securitiesは、投資を過度に引き上げれば2027年の生産急増を招く可能性があると指摘する。2027年にはMicron Technologyのアイダホ第1工場、SK hynixの龍仁第1期など、2つの新工場が稼働を始める。

Samsung Electronicsは、P4L(平沢第4工場)P2〜3のCapa立ち上げを2026年中に終える予定だ。ただ、この投資効果が2027年に通期で反映されれば、供給過剰リスクが高まる可能性がある。Daishin Securitiesは、過去には2年間の売上高に対する設備投資比率(Capital Intensity)が30%台前半を上回った局面で、供給過剰が発生してきたと分析した。

供給各社もこうしたリスクは認識している。SK hynixはM15xで追加投資の余地を残しているが、2026年はその半分に当たる月産4万枚規模向けの投資だけを実行する計画だ。Samsung Electronicsも、インフラ投資は前倒しする一方、装置投資は市況を見極めながら判断する方針を示している。

Daishin Securitiesは、抑制的な設備投資方針が維持されれば、需給の天井シグナルとされるマルチブッキングの解消は当面起きにくいとみる。一方で、需要を強気に見て投資を急拡大した場合には、2027年下期以降に需給環境が急速に悪化する可能性があると分析している。

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