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韓国でステーブルコイン決済の導入が具体化してきた。BCカードはデジタル資産大手Coinbaseと、ドル連動型ステーブルコイン「USDC」の国内決済導入に向けた基本合意書(MOU)を締結した。Visaも米国の金融機関向けにUSDC決済サービスを展開しており、2026年に対象拡大を進める方針だ。

BCカードとCoinbaseは、USDC保有者が韓国内の加盟店で決済できるよう、Baseチェーン対応ウォレットとBCカードのQR決済ソリューションを連携する実証事業を共同で推進する。

Visaはこのほど、米金融機関向けUSDC決済サービスの提供を開始し、2026年にサービス拡大を計画している。Visaの暗号資産カード利用は2025年に大きく伸び、2025年1月時点で14億6000万ドルだった総決済額は、12月末には91億3000万ドルに拡大した。

これらのカードは、ブロックチェーン関連プロジェクトとの提携を通じて発行されたものだ。暗号資産決済プラットフォームのGnosisPay、Cypherのほか、分散型金融(DeFi)分野のEtherFi、Avici Money、Exa App、Moonwellなどが含まれる。

こうした動きと並行して、韓国の金融業界ではAIとDXを軸とした事業再編が加速している。主要な金融持株会社と銀行は、2026年を「金融パラダイム転換の元年」と位置付け、共通課題としてAI主導のデジタル転換の加速、生産的金融の拡大、金融消費者保護と内部統制の強化を打ち出した。

これは単なる業績管理にとどまらず、今後10年の競争力を左右する構造変化に先手を打つ姿勢を示したものといえる。年頭あいさつでも、各金融グループのトップはおおむね同様の問題意識を前面に出した。

個別施策も相次いでいる。Woori銀行は、金融当局が進める「生産的金融大転換」政策に歩調を合わせ、実体経済の成長を後押しするため、「Woori先端先導企業ローン」を投入した。

同行はまた、Samsung ElectronicsのMX事業部出身のチョン・ウィチョル元常務をデジタル営業グループ長(副頭取)に起用した。あわせて、スミッシング被害から顧客を守る「AI-スミッシング文字安心サービス」も導入する。

Shinhan銀行では、「タンギョヨ」サービスの一環として展開するQR注文・店内飲食サービスの対応休憩所が、全国で100カ所に達した。

Hana銀行は、年金の引き出し時期に合わせて体系的な運用収益率管理を支援する「AI年金投資引き出しソリューション」の提供を始める。

NH農協銀行は、社会人になったばかりの若年層向け信用ローン商品「NH初スタートエンローン」を、TossとKakaoPayのローン比較サービスに掲載した。

IBK企業銀行は、米ラスベガスで現地時間1月6日から9日まで開催されるCES 2026に参加する。韓国の銀行業界では唯一、単独ブースを運営する。

KakaoBankは、1カ月積み立てを続けるとSamsung Electronicsの家電購入特典や景品を受け取れる「1カ月積立 with Samsung Electronics」を発売する。

一方、制度面では業界の警戒感も強まっている。韓国政府と与党は、ボイスフィッシング被害が発生した際、金融会社に過失がなくても賠償責任を負わせる「無過失賠償責任制」の法制化に着手した。銀行業界では、被害補償の財源確保に加え、FDSの高度化などシステム対応への追加投資負担が膨らむとの懸念が出ている。

フィンテック業界でも、金融当局がオンラインのローン比較・仲介プラットフォームに手数料率の上限を設ける案を検討しており、緊張が広がっている。当局は、貯蓄銀行など非銀行系金融機関の貸出金利引き下げを促す狙いだが、ローンプラットフォームを軸に形成されてきたフィンテックのエコシステムが縮小しかねないとの見方もある。

証券業界は、2026年の最優先課題として「デジタル大転換」を掲げた。トークン証券(STO)や実物連動資産(RWA)などのデジタル資産を成長領域の中核に据え、市場の主導権を巡る競争を本格化させている。

チョン・ウンボ韓国取引所理事長も、2026年の年頭に「KOSPI 5000時代」に向けた青写真を示した。24時間取引体制を段階的に整備し、暗号資産ETF(上場投資信託)などデジタル金融商品の導入を進める計画だ。

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