韓国の暗号資産取引所市場で、Upbitへの集中に変化の兆しが出てきた。2025年10〜12月期(第4四半期)は、Upbitの市場シェアが65.0%まで低下する一方、Bithumbは31.1%までシェアを伸ばした。両社は一般消費者向けの広告やブランド施策を強化しており、集客競争が激しさを増している。
デジタル資産分析プラットフォームのCoinGeckoによると、同四半期の韓国主要5取引所の取引高合計は約2779億ドル(約402兆2600億ウォン)だった。このうちUpbitは約1807億ドル(約261兆5600億ウォン)で、シェアは65.0%。80%近くに達していた2024年末と比べ、低下した。
一方、Bithumbの同四半期の取引高は約865億ドル(約125兆2000億ウォン)で、市場シェアは31.1%だった。前年同期の19%前後から大きく伸びた。Bithumbは「これまで積み上げてきたブランド認知の向上策と、利用者向け特典の強化が、第4四半期の安定した成果につながった」と説明している。
Bithumbのシェア拡大の背景には、2024年以降に積極化してきた一般向けマーケティングやスポンサーシップの拡大がある。
同社は俳優2人を広告モデルに起用したほか、FCソウルのスポンサーとなるなど、オフラインでの露出を広げた。年末には「2025 SBS歌謡大典 with Bithumb」のタイトルスポンサーも務めた。
Bithumbの攻勢を受け、これまで比較的慎重なマーケティング方針を取ってきたUpbitも対抗策を打ち出している。運営会社のDunamuは2025年下期、最高ブランドインパクト責任者(CBIO)を選任し、ブランド組織を強化。その後、「League of Legends」のスター選手「Faker」を起用したキャンペーンや、タレントを起用したブランドコンテンツを公開するなど、一般向けのデジタル広告を拡大した。
取引所業界の関係者は「競争の中心が手数料やイベントからブランド認知へと広がり、マーケティング競争が過熱している」と指摘する。「流動性が上位取引所に集中する構造のなかでは、大型キャンペーンがトラフィックや取引高の維持につながるとの見方が強い」と話した。
上位2社の存在感が一段と強まる一方、残る中小取引所のシェアは限定的だった。Coinoneの2025年10〜12月期の取引高は約87億ドル(約12兆5715億ウォン)で、シェアは3.1%。Korbitは0.67%、Gopaxは0.05%にとどまり、3社合計でも3.8%だった。
別の業界関係者は「実質的な取引高は、トランプ当選を受けて強気相場となった2024年10〜12月期と近い水準だが、今年は全般的な市場環境が悪化し、市場シェアは小幅に低下した」と述べた。