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匿名の暗号資産大口投資家、いわゆる「クジラ」が、Ethereum(ETH)の取引で約1800万ドルの損失を確定した後、資金の一部をTether Gold(XAUT)へ振り向けたことが分かった。価格変動の大きい暗号資産から、金連動資産へと資金を移す動きとして注目を集めている。

ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが現地時間3日、オンチェーン分析企業Lookonchainのデータを基に報じた。それによると、対象アドレスは2025年11月3日から7日にかけて、平均3581ドルでETH 3万1005枚を取得し、投資額は約1億1000万ドルに達した。

その後、市場急落を受けて保有分の大半を9219万ドルで売却し、約1800万ドルの損失を確定した。もっとも、ETH価格はその後3020ドル台まで戻しており、この売却は結果として早過ぎた可能性もある。

売却後、このクジラはポートフォリオの一部を貴金属関連資産へ移した。Lookonchainのデータでは、「0xFdC」で始まる当該アドレスが1458万ドル相当のUSDTを使い、複数回に分けてXAUT 3299枚を購入した。平均取得価格は約4421ドルだった。

今回の買い増しは、3週間前に行った小規模な金関連資産の取得に続く動きだ。現在、このウォレットはXAUT 3386枚を保有しており、時価は約1492万ドルとなっている。

資産構成も大きく様変わりした。従来はETH中心だったが、現在は約5800万ドルのUSDT、約1800万ドルのUSDC、そして残りをXAUTが占めており、全体としてよりディフェンシブな配分へと傾いている。

こうした動きの背景には、2025年の資産別パフォーマンスの差もある。市場では一般に、4年サイクル後半にはBitcoinやEthereumが金や銀を上回る傾向があるとみられてきたが、今年は様相が異なったという。

2025年に入ってからの騰落率を見ると、Bitcoinは約6%下落、Ethereumは11%下落した。一方で、金は65%上昇、銀は147%上昇と対照的な値動きとなった。S&P500、ダウ工業株30種平均、NASDAQ100といった主要株価指数も、暗号資産を上回るリターンを記録した。

このため市場では、不確実性へのヘッジ手段であり価値保存先でもある金などの実物資産を見直す動きが広がっている。ただ、暗号資産市場の中長期的な見通しが完全に崩れたわけではないとの見方もある。

グローバル資産運用会社のVanEckは、Bitcoinが2026年を起点に反発し、暗号資産市場全体を再びけん引する可能性があるとの見通しを示している。

今回の「金回帰」は、あくまで短期的なリスク管理の一環にとどまる可能性もある。ただ、足元の相場環境で投資家が何を退避先とみているかを示す象徴的な事例といえそうだ。

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