2026年の暗号資産市場を巡り、先行きへの見方が分かれている。2025年は強気シナリオが優勢だったにもかかわらず相場は失速し、その反動から2026年は大幅な下落局面に入るのか、それとも市場構造の変化で従来のサイクルが通用しなくなったのかが論点となっている。
ブロックチェーンメディアのBeInCryptoは2日、複数の業界関係者の見解をもとに、2026年の市場見通しを分析した。
2025年は、暗号資産に前向きな米大統領の誕生や、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ、流動性拡大への期待を背景に、強気見通しが広がっていた。だが相場は期待通りには推移せず、ビットコインは通年で5.7%下落。2018年以降で最悪の10〜12月期となった。
こうした結果を受け、市場関係者の間では従来の予測モデルを見直す動きが出ている。焦点の一つが、ビットコイン相場でたびたび語られてきた「4年周期」がなお有効なのかどうかだ。
Coin Bureau共同創業者のニック・パークリン氏は、ETF承認と機関投資家資金の流入によって市場の力学が大きく変わったと指摘する。その上で、今後はマクロ経済や地政学要因が一段と重要な変数になるとの見方を示した。
Bitget Walletの最高マーケティング責任者、ジェイミー・エルカレ氏は、ビットコインがFRBの政策や世界の流動性動向にこれまで以上に敏感になっていると分析した。機関投資家資金の流入が需給逼迫を和らげていることも、従来の値動きとの違いとして挙げた。DWL Labsのアンドレイ・グラチェフ氏も、暗号資産は単独の投機資産というより、グローバル資産としての値動きが強まっており、単純な周期予測は難しくなっていると強調した。
一方で、ベナー・サイクルのような長期モデルでは、2026年をなお「良い時期」とみる見方もある。ただ、専門家の間でも2026年の強気相場を単純に断定する声は少ない。
エルカレ氏は、2025年の期待外れの値動きについて、市場が投機主導の段階を越え、マクロ経済と連動する資産へ移行しつつあることを示したものだと説明した。その上で、2026年は構造調整局面となる可能性が高いと予想した。
弱気シナリオとしては、複数のリスク要因も意識されている。パークリン氏は、AIバブルの崩壊に加え、世界的な流動性縮小や構造的ショックが重なれば、市場は急落しかねないと警告した。
エルカレ氏も、AIバブル崩壊やFRBの金融引き締め、主要取引所の破綻が起きた場合、ビットコイン価格は5万5000〜6万ドル(約825万〜900万円)まで下落する可能性があると述べた。
もっとも、機関投資家資金の流入が続き、マクロ環境が改善すれば、下落リスクは和らぐ可能性がある。エルカレ氏は、G20各国でビットコイン保有が進み、金融資産のトークン化が本格化すれば、市場が反発に向かう可能性があるとの見方も示した。