米電動アシスト自転車メーカーRide1Upの「Prodigy V2」を2年あまり使い、1万マイル(約1万6000km)を走行したユーザーの事例が公開された。米Electrekが1日(現地時間)に報じた。フレームやモーターなど主要部品に大きな不具合はなく、バッテリーも初期容量の80%超を維持。消耗品の交換を含む総維持費は295ドルだった。
電動アシスト自転車を検討する際、購入直後の乗り味だけでなく、数年単位で日常使用に耐えられるかを重視する消費者は多い。一方で、短期レビューは多くても、長期間にわたる実使用データは限られている。
今回紹介されたユーザーは、2023年3月にProdigy V2を1595ドルで購入した。通勤に加え、週末のライドでもほぼ毎日使い続け、2年余りで1万マイルに到達したという。SNSでは使用状況を継続的に発信しており、耐久性や維持費、摩耗しやすい部位について具体的な情報を共有している。
主要部品の状態はおおむね良好だった。フレームとフォークに亀裂や疲労の兆候は見られず、Brose製のミッドドライブモーターも出力低下や異音は確認されなかった。
バッテリー性能も安定していた。1万マイル走行後も、初期容量の80%超を維持していることが確認された。通勤用途で日常的に使われてきた車体である点を踏まえると、注目すべき結果といえる。
駆動系と制動系にも大きな問題はなかった。Shimano製ディレイラーは基本的な調整のみでスムーズな変速を維持し、Tektro製ブレーキもブレーキパッドの交換を除けば目立った不具合はなかったという。
一方、消耗品の交換は必要だった。1万マイルの走行で交換したのはチェーン3本、ブレーキパッド2セット、タイヤ1セット、カセット1個。これらを合わせた維持費は295ドルだった。高走行の一般的な自転車と比べても、特段高い水準ではないとしている。交換部品の多くは入手しやすく、地元の自転車店で無理なく整備できたという。
比較例として、同時期に友人が購入した低価格の中国製電動アシスト自転車にも触れている。この車体は3000マイル(約4830km)でモーターが故障し、バッテリー性能も急速に低下。最終的には部品取り用として処分されたという。安価な製品すべてを否定するものではないが、信頼性の差を示す事例として紹介された。
ユーザーは、価格そのものよりも部品の入手しやすさとアフターサポートが重要だと指摘する。Ride1Upは米国拠点のブランドで、問い合わせへの対応も速く、整備の大半を地域のショップで済ませられたことが、長期使用時の安心感につながったとしている。
走行距離当たりのコストで見ても、経済性は比較的高い。購入価格1595ドルを1万マイルで割ると、1マイル当たり約0.16ドル。維持費を含めても約0.19ドルにとどまる。記事では、自動車の平均運行コストが1マイル当たり0.60〜0.80ドルとされており、それと比べても低水準だ。ユーザーは「今すぐ壊れたとしても、すでに十分元は取っている」とコメントしている。
Electrekは今回の事例について、電動アシスト自転車市場で求められているのは短期的なレビューではなく、長期使用に基づくデータだと指摘した。適切に選ばれた中価格帯の車体であれば、自動車の代替となる現実的な移動手段になり得るとし、ブランドの信頼性とアフターサポートの重要性は、時間の経過とともに一段と明確になると評価している。
Electrekは「電動アシスト自転車が半永久的に使えるわけではない。だが、1万マイルを大きな問題なく走破したという事実だけでも、適切な選択がいかに大きな差を生むかを十分に示している」と伝えた。