低価格で安定供給されてきたSDカードとmicroSDカードの価格が、2026年に入って急騰している。AI産業の拡大に伴ってメモリー需要が急増し、その影響が消費者向けストレージ市場にも及んでいる。
TechRadarが12日付で報じたところによると、今回の値上がりは、生産ラインの転換、戦略的な減産、部材価格の上昇が重なった結果だ。半導体メーカーが収益性の高いAI向けメモリーの生産を優先する一方、相対的に採算の低いSDカード向けメモリーの供給は縮小している。
値上がり幅も大きい。SanDiskの128GB Extreme Pro SDXCカードは、2025年のブラックフライデー時点では20ポンド未満で販売され、過去には14ポンドまで下がったこともあったが、現在では約50ポンドに上昇したという。
高速・大容量モデルでは上昇がさらに目立つ。一部の高性能SDカードは価格が最大300%上昇し、これまで容易に入手できた製品の多くが欠品、あるいは終売となっている。需要の急増に供給が追いつかず、需給逼迫が価格を押し上げている格好だ。
こうした値上がりは短期では収まりそうにない。業界アナリストは、AI産業の拡大に見合うメモリー供給が整うまで上昇圧力が続くとみており、少なくとも2026年半ばまでは高値基調が続くと予測している。価格安定まで最大18カ月かかるとの見方もある。
消費者にとっては判断が難しい局面だ。すぐに新しいSDカードが必要な場合は、現在の価格水準で購入せざるを得ない可能性がある。一方、手元のストレージで当面しのげるなら、市況が落ち着くまで購入を見送るのが合理的だとする見方も出ている。
注意すべきなのは低価格品だ。価格が急騰する局面では、偽造品や、表示容量と実容量が一致しない不良品が市場に出回りやすい。専門家は、実績の乏しいブランドの極端な低価格品より、信頼できるメーカーの製品を選ぶべきだと指摘している。
AI向けメモリー需要の急増は、これまで安価な記録媒体とされてきたSDカード市場にも波及した。購入時には価格動向に加え、製品の信頼性や真贋の見極めも重要になりそうだ。