写真=科学技術情報通信部のパク・インギュ科学技術革新本部長。12日、ソウル市鍾路区の光化門教保ビル内にある国家科学技術諮問会議の会議室で記者団と懇談した。

政府は、2027年度の国家研究開発(R&D)投資方針で「K-Science」を前面に打ち出した。韓国固有のデータや研究領域を基盤に、世界を先導する科学技術の新たな枠組みづくりを目指す。AIや戦略技術への投資を拡大するほか、研究現場を支える制度改革も進める。

科学技術情報通信部は3月12日、国家科学技術諮問会議の第80回運営委員会を開き、「2027年度国家研究開発(R&D)投資方向および基準案」を審議・議決した。

同日の記者懇談会で、パク・インギュ科学技術革新本部長は「これまでの韓国のR&D投資はグローバル競争を軸に進めてきたが、今後は韓国の科学者が主導し、韓国が最も強みを持つ分野を発掘していく必要がある」と述べた。

◆韓国独自の環境を生かす「K-Science」

今回の投資方向・基準案では、新たな政策の柱として「K-Science」を盛り込んだ。科学技術情報通信部は、これまでのR&D政策は目標達成に重点が置かれる一方、国民が共感しやすい物語性のある科学文化へ広げるには限界があったと説明している。

K-Scienceは、韓国固有の歴史、文化、環境と結び付いた新たな科学技術パラダイムを指す。グローバル研究を主導し、海外に先んじる研究分野を生み出すことを狙う。

例えば、ウ・ジャンチュン博士が種なしスイカの開発で知られ、英国のジェーン・グドール博士がチンパンジー研究の象徴的存在となったように、韓国の科学者が主導する研究分野を育てることが政策の趣旨だという。

パク本部長は「韓国が持つデータや歴史記録そのものが、科学研究の重要な資産になり得る」とした上で、「韓国が強みを持つ研究領域を体系的に発掘することがK-Scienceの核心だ」と強調した。

科学技術情報通信部は今後、各省庁が提案するプロジェクトを軸にアジェンダプールを構築し、専門家による検討や協議を経て、2026年4〜6月にK-Science戦略を具体化する方針だ。

◆AI・戦略技術への投資を拡大

戦略技術への重点投資も継続する。国民全体でのAI活用拡大、国家規模でのAI転換、AIフルスタック基盤の整備を通じ、「AI3強」入りに向けた取り組みを加速させる。

先端バイオ、量子、宇宙・航空・海洋分野など、革新技術の確保に向けた支援も強化する。

国防分野では、民間の先端技術を迅速に取り込む「スピンオン(Spin-On)」方式を通じて、韓国防衛産業の革新と国防力強化を同時に進める。新たな脅威に備えたサイバーセキュリティ技術への投資拡大も盛り込んだ。

あわせて、エネルギー高速道路の構築や、再生可能エネルギーを中心とするエネルギー転換も推進する。

経済成長を支える主力産業の競争力強化も重要な投資分野に位置付けた。半導体・ディスプレイに加え、先端ロボット・製造、次世代通信、先端モビリティ、二次電池などの主力・先端分野で、官民の役割分担を前提に技術開発を進める。

政府は、化合物・電力半導体や先端パッケージング技術など、長期かつ高難度の領域に重点を置く。AI半導体など緊急性の高い戦略技術の確保については、官民連携で対応する考えだ。

◆R&D制度を見直し、研究基盤を立て直し

国民がR&D投資の効果を直接実感できる分野への投資も拡大する。洪水や山火事など災害・安全対応のR&Dでは、多分野の優れた技術を積極的に取り入れる。

少子高齢化など社会課題の克服や国民生活の改善につながる「国民体感型R&D」への投資も続ける。

基礎研究では、研究課題数の拡大に加え、共同人材やインフラの活用拡大を進める。大学向けのブロックファンディング導入や、失敗した研究を革新の資産として生かすための後続支援策も検討する。

政府系研究機関については、研究課題中心制度(PBS)の段階的廃止とあわせ、任務中心の戦略研究事業を拡大する。優秀人材の確保や正規職の処遇改善も進め、成果とミッションを重視する研究拠点として育成する方針だ。

中小・ベンチャー企業の成長支援では、技術移転や事業化のスケールアップに向け、省庁横断や事業間の連携を広げる。若者の起業支援や公共技術の事業化に対する投資も強化する。

競争型、民間投資連携型、投資型R&Dなど、投資手法の多様化も進める。

投資の実効性を高めるため、政府R&D投資システムの高度化にも取り組む。予算配分・調整では、成果に基づく優先順位の見直しで投資余力を確保し、省庁間協議を経て必要分野に再投資するR&D事業の再構築を進める。

予備妥当性調査の廃止後は、大型の新規R&D事業を「研究型」と「構築型」に分類する。大型研究型R&Dは、科学技術諮問会議の技術分野別専門委員会を中心に迅速審査し、予算に反映する。

大型構築型R&Dは、全周期管理による段階審査で精査する。科学技術革新本部は、政府R&D事業について、企画から執行まで通年で点検・管理する計画だ。

今回議決した投資方向は、企画予算処と関係省庁に通達される。5月の各省庁によるR&D予算要求や、9月から始まる2027年度政府R&D予算の配分・調整、編成の基本指針として活用される見通しだ。

パク本部長は「R&D投資は、AI3強入り、エネルギー高速道路の構築、『創業コリア』の実現、地域経済の活性化など、国民が体感できる成果として結実する段階にある」と述べた。その上で、「政府R&Dを担う30余りの中央行政機関、地方自治体、企業、大学、研究機関など、官民の力を総結集していく」と語った。

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