Appleが599ドルの新型ノートPC「MacBook Neo」を投入した。これを受け、Apple関連の分析で知られるミンチー・クオ氏は、同製品の販売見通しに加え、タッチ対応やOLEDを採用するMacBookシリーズの今後の投入時期について見解を示した。
米ITメディア9to5Macが11日(現地時間)に報じたところによると、クオ氏は、Appleが足元のメモリ市場の需給のゆがみを活用し、価格競争力を武器にエントリー向けノートPC市場でシェア拡大を狙っていると分析した。狙いはハード販売だけでなく、オンデバイスAIの普及を見据えて自社エコシステムを広げることにあるという。
クオ氏はMacBook Neoの販売について、2026年上期に約200万~250万台、通年では450万~500万台に達する可能性があると予測した。量産開始は当初計画より約3カ月遅れたものの、13型ディスプレイとA18 Proを搭載し、低価格を打ち出した点は引き続き高い訴求力を持つとみている。
生産は現在Quantaが担っているが、今後はFoxconnやLuxshareにも分散される見通しだ。供給体制が安定すれば、市場への浸透が一段と進む可能性がある。
一方、市場の関心が高いタッチ対応については、次期MacBook Neoへの採用に慎重な見方が強まっている。Chromebook対抗の観点からタッチパネル搭載が有力視された時期もあったが、直近の業界調査では計画が見送られる可能性が高いという。
クオ氏はその理由について、600ドル未満でMac体験を広げるという製品コンセプトを維持するためだと説明した。タッチ対応のようにコスト増につながる仕様は、エントリーモデルではなく、まずは高価格帯のプレミアムモデルから採用されるとの見方を示している。
この「上位モデル先行」の方針は、ディスプレイ戦略にも表れている。クオ氏は、OLEDのタッチパネルを採用したMacBook Proの大幅刷新モデルが、2026年10~12月期の期末、または2027年1~3月期の初めに登場すると予測した。
これに対し、エントリーラインのMacBook AirがOLEDへ移行するのは2028年か2029年ごろになる見通しだという。先進技術をまず上位機種に投入し、その後に下位モデルへ広げるのがAppleの典型的なハードウェア戦略だと位置付けた。
さらにクオ氏は、Appleがハードウェア開発力に加え、メモリ市場の混乱を利用してシェア拡大を進めている点にも言及した。競合各社が前年に積み上がった低価格メモリ在庫の処理を進め、2026年4~6月期以降にコスト上昇圧力に直面する局面でも、Appleは事前に確保した調達力と資本力を背景に価格を維持し、Windows陣営への圧力を強める可能性があるとみている。
こうした優位性を背景に、2026年のMacBook出荷台数は前年比20~25%増の約2500万台に達する可能性があるという。10%超の減少が見込まれるWindowsノートPC市場とは対照的だとした。
クオ氏は、iPhone 17eからMacBook Neoへと続く低価格路線の強化について、オンデバイスAI市場を先取りするための布石だと評価した。端末の普及を通じて高収益のサービス事業の基盤を広げると同時に、AI機能が本格化した際に即座に恩恵を取り込めるエコシステムを構築する狙いがあるという。
そのうえで、Appleが市場支配力を維持できれば、2026年下期に発売される新型iPhoneの価格も据え置かれる可能性が高いとの見方を示した。