2026年3月第2週のデジタル資産市場では、ビットコインに対する強気見通しが続く一方、XRPやイーサリアム、ソラナを巡る市場の構図に変化の兆しが出ている。米国では暗号資産関連法案の審議が政治要因で停滞する半面、ステーブルコインは決済分野で存在感を強めている。
ビットコインを巡っては、金の時価総額に迫るとの強気な見方が広がっている。世界的なマクロ不安やインフレ懸念を背景に、金や銀など伝統的な貴金属が買われる中、ビットコインも代替的な安全資産として評価が高まっているためだ。機関投資家による現物ETFへの資金流入が続き、半減期後の供給減少の影響が本格化すれば、金の時価総額を急速に追い上げる可能性があるとの見方も出ている。
一部では、ビットコインが2026年に5億韓国ウォンを突破するとの予測も浮上した。貴金属の上昇局面に追随する形で価格が押し上げられるとの分析だ。
AIを巡る話題も市場の関心を集めた。36種類のAI言語モデルに、どの形態の貨幣を保有したいかを問う実験では、ビットコインがドルなど既存の法定通貨を上回る支持を集めたという。法定通貨については、中央銀行による発行拡大で価値が希薄化し得る点が懸念材料として挙げられた一方、ビットコインは発行量がアルゴリズムで制限される希少資産として、価値保存手段に適していると評価された。
ただ、主流金融の見方はなお割れている。著名ベンチャーキャピタル投資家の間からは、ビットコインは各国中央銀行の準備資産には適さないとの指摘も出ている。価格変動の大きさに加え、取引インフラや規制の整備が十分ではなく、外貨準備として求められる安定性を満たしにくいというのが理由だ。民間市場の投資資産としては有力でも、国家レベルの通貨システムを代替するにはなお時期尚早との見方が示された。
一方で、トランプ氏の再登板やイラン戦争を予測したとされるジャン・シュエチン教授は、ビットコインの起源を巡って独自の見解を示し、物議を醸している。同氏はビットコインが米国防総省のプロジェクトだったと主張したが、こうした見方は陰謀論の域を出ないとの反論も出ている。
アルトコイン市場では、かつてのような全面高の局面は後退し、主要銘柄ごとの明暗が鮮明になっている。イーサリアムが構造的な課題を指摘される一方、ソラナはRWA(実物資産)分野で存在感を高めている。
イーサリアムについては、相次ぐネットワークアップグレードを経て構造的な弱点が強まったとして、「デススパイラル」に入ったと警告する声が出ている。手数料引き下げを狙った更新が、従来のデフレ的な仕組みを弱め、インフレ圧力を招いたとの見方だ。創業者ヴィタリック・ブテリンの売却観測も広がり、投資家心理の悪化を招いているとされる。アルトコインの代表格としての地位が揺らいでいるとの指摘もある。
これに対し、ブロックチェーン上で実物資産を扱うRWAトークン化市場では、ソラナの伸長が目立つ。オンチェーンデータによると、ソラナ基盤のRWAトークン保有者数がイーサリアムを初めて上回った。高速処理と低い手数料が、少額決済や個人投資家の需要に合致したことが背景とみられる。機関投資家中心のイーサリアムに対し、ソラナは個人向け領域で優位性を示している。
XRPを巡っても、短期的な上昇期待が強まっている。市場では、今後5週間以内に大幅高に向かう可能性があるとの分析が出た。材料としては、イーロン・マスク氏のX(旧Twitter)の決済サービス「X Money」へのXRP統合観測に加え、Rippleと米証券取引委員会(SEC)の法廷闘争が終結に向かうとの見方、機関投資家の資金流入拡大などが挙げられている。チャート上でも、長期の保ち合いを経て上放れを示唆するシグナルが出ているとの指摘がある。
もっとも、コミュニティ内では過度な期待を戒める声もある。「1万XRPを保有していれば引退できる」との言説が拡散しているが、これに対しては、現在の発行量や時価総額を踏まえれば、1万枚だけで数十億韓国ウォン規模の価値を生むのは非現実的だとの反論が強い。盲目的な期待ではなく、現実的な目標価格を見極める必要があるとの指摘だ。
米国の暗号資産規制を巡っては、「クラリティ法」の先行きが不透明になっている。業界では規制の明確化につながる法案として期待が大きかったが、ドナルド・トランプ大統領の政治戦術の影響で審議が停滞する可能性が出てきた。トランプ氏が、選挙不正防止を目的とする有権者身分証明書法案が成立しない限り、暗号資産関連法案を含む他の法案には署名しない考えを示したためだ。政治対立が続けば、暗号資産業界を巡る規制の不確実性も長引く可能性がある。
その一方で、ステーブルコインは実需分野で着実に浸透している。決済大手各社は、高コストな既存のクレジットカード決済網に代わる手段として、ドル連動型ステーブルコインを活用した少額決済の仕組みづくりを進めている。AIエージェントが利用者に代わってコンテンツ購読料やサービス利用料をリアルタイムで自動決済する「Machine to Machine」型のユースケースも視野に入る。中間手数料の削減を通じて、国際決済の構造そのものを変える可能性があるとの期待が高まっている。