科学技術情報通信部は11日、個人情報保護委員会が運営する「公共人工知能転換(AX)革新支援ヘルプデスク」を通じ、AIを活用した研究行政支援サービスの導入に向けた制度面の整理を終えたと発表した。
今回の対象は、汎省庁統合研究支援システム「IRIS」で提供を予定するAI推薦サービスだ。AIが論文、特許、研究報告書などのデータを分析し、評価委員の選定を支援するほか、研究者に共同研究者候補を推薦する。
AXヘルプデスクは、公共機関がAX事業を進める際に想定されるプライバシー上の課題について、個人情報保護委員会が事前に検討・助言する窓口だ。申請があれば、事前適正性検討制度や規制サンドボックスなど、事業の内容に応じた制度と連携し、企画・開発段階から個人情報の処理フローを点検しながら必要な安全措置の設計を支援する。
個人情報保護委員会は同日、第4回全体会議を開き、ヘルプデスクの初の支援案件として、IRISのAI推薦サービスに関する事前適正性の検討結果を議決した。
科学技術情報通信部は、従来の単純なキーワード照合では限界があると判断し、同サービスの開発にAIを導入した。文脈や意味を理解するAIによって、IRISに蓄積された膨大な研究データを分析し、対象分野に適した専門性を持つ評価委員を推薦できるようにする考えだ。
個人情報保護委員会は、IRISの設置・運営根拠である国家研究開発革新法の趣旨と目的に加え、IRIS内の研究者データが同法第20条など明確な法的根拠に基づいて収集・構築されている点を踏まえ、事業の妥当性を検討した。
あわせて、AI推薦サービスの導入で生じ得るプライバシーリスクを抑えるため、AIプライバシーリスク管理モデルに基づき、内部管理計画の策定、透明性の強化、推薦結果に対する異議申し立て窓口の整備といった安全措置案を、科学技術情報通信部と共同で取りまとめた。
今後、個人情報保護委員会は、公共AXがプライバシー保護を前提に進むよう支援を拡大する方針だ。ヘルプデスクの周知を進めるとともに、現場でより利用しやすい体制づくりにも取り組む。