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AI向けデータセンターの電力需要が急増するなか、従来型の鉄心変圧器に代わるソリッドステート変圧器(SST)への注目が高まっている。関連スタートアップはこの数カ月で2億8000万ドル(約420億円)を調達しており、次世代電力インフラを巡る投資が加速している。

鉄心変圧器は実用化から140年以上がたち、送配電網やAI企業の電力インフラを支える基幹技術として使われてきた。ただ、データセンターの消費電力が急拡大するなかで、従来方式では対応力に限界が見え始めているとの見方が強まっている。

TechCrunchが10日(現地時間)に報じたところによると、こうした流れを追い風にSST関連企業への資金流入が進んでいる。Hyperscale PowerはSSTをベースとするソリューションを掲げ、自社システムが最も小型だと訴える。最近では500万ユーロのシード資金を確保し、試作機の開発に乗り出した。

SST市場はここ数年で急速に広がっている。シンガポール政府投資公社GIC傘下のTemasekのアーリーステージ向けファンドの支援を受けるAmpersand、ABBが出資するDG Matrix、Tesla元幹部のドリュー・バグリーノ氏が設立しAndreessen Horowitzが支援するHeron Powerなどが参入している。PitchBookによると、これら企業の調達額は合計で3億3000万ドル超(約495億円)に達する。

Hyperscale Powerは後発組に位置付けられるが、共同創業者のダニエル・ロトムント氏とサミ・ペテルソン氏は長年この分野の研究を進めてきた。競合よりも高い周波数で動作する変圧器を開発し、さらなる小型化を目指す方針だ。

ロトムント氏は、既存の変圧器はサーバーラックの2倍以上の大きさがあると指摘。そのうえで、SSTの導入が進まなければデータセンター拡張の足かせになりかねないとの見方を示した。

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