政府は11日、人工知能(AI)を軸とする国家戦略プロジェクト「K-Moonshot」を本格始動するとともに、国民全体のAI活用力を底上げする施策を打ち出した。12の国家ミッションを確定したほか、生涯学習を見据えたAI教育基盤の整備や、全国民参加型のAIコンテスト開催を進める。
ペ・ギョンフン副首相兼科学技術情報通信部長官は同日、政府ソウル庁舎で第5回科学技術関係長官会議を主宰した。会議では、「全国民AI活用能力強化・日常化方策」や「K-Moonshot推進状況報告」など計7件の案件を扱った。
ペ副首相は「AIが危機ではなく機会として作用するよう、限られた時間をどう生かすかが未来を左右する」と述べた。その上で、国民が政策効果を実感できるよう、会議を通じて実行計画を具体化し、着実に進めていく考えを示した。
会議で扱ったのは、① 全国民AI活用能力強化・日常化方策② 全国民AIコンテスト推進計画③ K-Moonshot推進状況報告④ 省庁横断の技術管理体系整備と協業強化の方向性⑤ 地域人材育成とAX革新に向けた4大科学技術院のAX戦略⑥ 農業・農村のAI転換戦略⑦ 行政・公共システムのクラウドネイティブ転換推進方向――の7件。
政府はこの日、K-Moonshotの推進状況を報告し、8大戦略技術分野で計12の国家ミッションを確定した。K-Moonshotは、AIプラットフォームを基盤に国家規模の大型研究開発(R&D)を進め、将来の中核技術の競争力確保を目指す政策だ。
政府は2月、国家AI戦略委員会でK-Moonshotの推進戦略を公表しており、今回、関係省庁との協議を経て国家ミッションを正式に固めた。今後は各ミッションの遂行に向け、関連する既存のR&D事業の成果を連携・活用する。
ミッションごとの推進を統括するプログラムディレクター(PD)も選任する。PDは各ミッションの技術ロードマップを策定し、研究開発の方向性を総括するほか、2027年の新規R&D事業の企画や予算編成プロセスにも関与する。
政府は5月に省庁横断の「K-Moonshot推進団」を発足させ、ミッション別の推進計画を公表する予定だ。
あわせて政府は、全国民のAI活用能力を高め、日常利用を広げるための方策も決めた。国民との接点を持つプラットフォームやサービスに自社AIモデルのAPIを提供する企業を対象に、政府が確保したグラフィックス処理装置(GPU)資源の一部を2026年上半期から配分する案を検討する。
学生から高齢者までを対象にした、生涯学習型のAI教育体系も整備する。6月までにオンライン統合教育プラットフォーム「Our AI Learning」を構築し、「AIデジタル学び場」を通じて全国で訪問型教育も実施する計画だ。
全国民AIコンテストの推進計画案も示した。政府は3月から、全世代が参加できる全国民AIコンテストを通年で開催する。
生成AIの普及を踏まえ、国民のAI活用力向上を狙いに200万人以上の参加を目標とする。多様な競技を実施するほか、民間企業と関係省庁が参加する協議体を設け、国民参加型イベントとして規模を広げる方針だ。
全国民AIコンテストは26日の開幕式を皮切りに、4月から11月まで実施する。年末のAIフェスティバルでは、総額30億ウォン規模の賞金を設け、優秀な成果を表彰する予定だ。
政府はまた、技術覇権競争への対応に向け、省庁横断の戦略技術管理体系の整備も進める。国家戦略技術育成法、租税特例制限法、国家先端戦略産業法、産業技術保護法の4法令を軸に、計513件の管理体系を整備し、政策連携を強化する。
対象分野としては、半導体、ディスプレイ、AI・ソフトウェア(SW)、量子、通信など19の共通技術分野を抽出した。
4大科学技術院を中心とする「科学技術院AX戦略」も決めた。地域産業のAX革新と人材育成を進めるため、科学技術院を軸に地域の産学研協力研究所を整備し、AI教育クラスターを造成して、地域基盤のAIイノベーション・エコシステムの構築を目指す。
農業分野では、「農業・農村AI転換戦略」に基づき、AI農場(AI-Farm)の造成や、自律農機・ドローンを活用した農業自動化、スマート流通システムの構築を進める。
行政・公共システムのクラウド移行も加速する。政府は2030年までに公共情報システムをクラウド基盤へ全面移行するロードマップを策定し、主要情報システムにクラウドネイティブ技術を適用する計画だ。