分散型金融(DeFi)レンディングプロトコルのAaveで、2700万ドル規模の強制清算が発生した。CoinDeskが10日(現地時間)に報じた。Aaveが参照する価格オラクルの一時的な異常が背景にあるとみられる。
価格オラクルは、外部の市場価格データをブロックチェーンアプリケーションに供給する仕組みだ。レンディングプロトコルはこのデータを基に担保価値を算定し、担保維持基準を下回ったポジションを強制清算する。今回は、オラクルがwstETHの価値を誤って反映したことで、本来不要だった清算が発生したという。
混乱の発端は、Chaos Labsのリスクオラクルにおける設定ミスだった。wstETHはLidoが発行するステーキング関連トークンで、保有に応じて価値が増加する設計となっている。
一方で、AaveのオラクルはwstETHを1.19 ETHと評価したのに対し、市場では1.23 ETHで取引されていた。この評価乖離によって一部の借入ポジションが担保維持基準を下回り、強制清算に至ったとCoinDeskは伝えている。
Chaos Labsによると、オラクル自体は市場価値を正しく報告していたものの、スマートコントラクト内に残っていた旧パラメータと更新遅延が重なり、清算が発生した。
Lidoは、今回の清算はオラクルの仕組み上の不備が原因であり、wstETHやLidoプロトコルに起因するものではないと強調した。Aaveは本件について公式見解を示していない。
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