11日、国会議員会館第2セミナー室で開かれた討論会「緊急診断 精密地図のGoogle搬出、このままでよいのか」の出席者ら。写真=イ・ホジョン記者

Googleへの縮尺1:5000精密地図の搬出が条件付きで承認されたことを受け、空間情報業界と学界が11日、国会で対応策を議論した。討論会では、政府の司令塔機能の強化や専用基金の創設、AI生成・派生データの管理ルール明確化、縮尺1:1000地図の早期整備などを求める提言が相次いだ。

討論会は、国会情報委員会のシン・ソンボム委員長と、国土交通委員会のクォン・ヨンジン議員が、国会議員会館第2セミナー室で共同開催した。「緊急診断 精密地図のGoogle搬出、このままでよいのか」と題し、Googleの搬出申請がイ・ジェミョン政権下で条件付き承認を受けて以降、国会で初めて開かれた公開討論の場となった。

シン委員長は開会あいさつで、Googleによる地図搬出要請が2007年と2016年には不許可だったにもかかわらず、今回は条件付きで承認された点に触れ、「米政権が非関税障壁として問題視してきたことと無関係ではない」と指摘した。その上で、「すでに判断は下った。実際の搬出までにどのような対応策を整えるかを考える段階に入った」と述べた。

クォン議員は、精密地図について「単なる空間データではなく、自動運転やUAM、スマート物流プラットフォームなど将来産業を支える中核インフラだ」と強調した。問題を地図データ単体ではなく、搬出後に形成される産業構造の観点から捉える必要があるとし、国内企業の競争力維持と戦略産業の育成に向けた総合的な議論を求めた。

討論会でテーマ発表を行った国土研究院のイム・シヨン副研究委員は、この問題を「価値の衝突が生んだゼロサムの争点」と位置付けつつも、政策判断として条件付き承認が下された以上、賛否の応酬ではなく、実効性のある対応策づくりと新たな価値創出に軸足を移すべきだと述べた。

条件付き承認の主要要件の一つである「国内事業者を通じた加工」については、Googleが国内パートナーを確保しなければ搬出を進めにくい構造になっており、交渉上のレバレッジになり得ると分析した。一方で、提携先選定を巡って国内企業間の過度な競争が起きればマイナスが広がるとして、政府が政策趣旨を踏まえた企業の参加を促す形で関与すべきだと提案した。

また、搬出による被害推定額として示された197兆ウォン(約22兆円)についても、単なる防御論に使うのではなく、Googleとの交渉における根拠として積極的に活用すべきだと指摘した。

イム副研究委員は短期課題として、承認条件の具体化、履行を担保する仕組みの整備、Googleとの交渉力強化を挙げた。中長期的な課題としては、空間情報政策の意思決定機能を少なくとも局長級・室長級に引き上げることや、国家空間情報研究院の設立検討を含む司令塔機能の強化、継続的で安定した投資を支える空間情報専用基金の整備、データ生産偏重の予算構造をサービス開発まで広げる生態系の再設計を提示した。こうした基盤がなければ、個別案件ごとの場当たり的な対応にとどまりかねないとの見方を示した。

大韓空間情報学会のアン・ジョンウク会長は、搬出対象の内容が不透明だと問題提起した。「Googleには情報が提供される一方で、国民には何が搬出されるのかが明確に説明されていない」として、情報公開を求めた。さらに、Googleが国内の精密地図をもとにサービスを展開しながら国内外の利用者データを蓄積すれば、1年以内に独自生成体制を整える可能性があるとの見方を示した。条件付き承認の枠組みを事実上迂回する事態もあり得るとして、「AIを用いて生成・派生したデータまで国家が統制できるよう、条件項目に明記すべきだ」と主張した。

韓国空間情報産業協会のキム・デチョン会長は、現実的な代替策として縮尺1:1000の高精細地図の早期整備を提案した。協会所属の2万6000人の人員と、現在金浦空港で待機中の航空撮影装備約30台を活用すれば、約5200億ウォン(約570億円)で全国整備が可能だと説明した。「縮尺1:5000地図をGoogleに提供する状況でも、縮尺1:1000の高精細地図を先行して完成させれば、それ自体が韓国独自の競争力になる」と語った。

ただ、現行の縮尺1:1000地図は国費と地方費をそれぞれ50%ずつ負担する仕組みのため、全国ベースの進捗率は10%未満にとどまっているとし、財源確保が急務だと訴えた。

韓国空間情報通信のキム・インヒョン代表は、最も強い懸念を示した一人だ。「本件の本質は単なるデータ搬出ではなく、データ活用権の海外移転にある」とし、「問題はサーバーの所在地ではなく、データの加工、学習、再配布の権限が海外機関に移ることだ」と指摘した。いったん学習に使われたデータは取り戻せず、Googleの狙いはナビゲーションサービスではなくAI学習にあるとの見方も示した。

その上で、韓国の測量法第26条の国外搬出禁止条項に触れ、「重要データの搬出については、国会同意手続きを法制化する必要がある」と主張した。決定過程の手続き的正当性にも疑問を呈し、情報公開請求後に行政審判を請求する意向も明らかにした。

国土交通部のキム・テヒョン空間情報制度課長は、「搬出後にどのような産業構造が形成されるのかについて、業界、学界、政府が一緒に議論しなければならない」と述べた。また、「国家レベルの空間情報産業政策は、これまで十分に進められてこなかった」と認め、空間情報とAIを組み合わせた技術の研究開発強化にも言及した。

同課長は、6月までに策定予定の第4次空間情報産業振興基本計画について、「業界や学界と意思疎通しながら、こうした内容を計画に反映させたい」と述べた。

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