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外国人向け海外送金プラットフォームを運営するHanpassが、KOSDAQ上場に向けた手続きを進めている。調達資金は海外事業の拡大とサービス強化に振り向ける方針で、為替変動や競争環境の変化をにらみながら成長戦略を描く。

業界関係者によると、Hanpassは先月、IPOに向けて韓国取引所の上場予備審査を通過した。6日から12日まで機関投資家向けの需要予測を実施し、公募価格を確定する予定だ。

同社は、韓国に滞在する外国人を主な顧客とするモバイル海外送金プラットフォームを展開している。銀行より低い手数料を打ち出し、送金に加えてプリペイドカード、ウォレット、生活関連サービスを組み合わせた「スーパーアプリ」への進化を進めている。全国約1100カ所のオフラインネットワークを活用し、対面営業も展開する。

足元ではサービス拡充も加速している。2026年上期には、韓国を訪れる外国人向けの新アプリ投入を準備中だ。観光客や短期滞在者を対象に、金融サービスと生活サービスを一体で提供するチャネルとして展開する計画で、投入時期は4〜5月が有力とされる。

外国人向けローン比較サービスも新たに開始した。Hanpassは、この分野では業界初の取り組みだとしている。銀行、貯蓄銀行、オンライン投資連携金融業者など複数の金融機関の商品を比較できるようにし、外国人向けローン市場での金利競争を促す狙いがある。

外国人向けローンは選択肢が限られやすいが、複数の商品を一括で比較できる仕組みを整えることで、利用者のアクセス性を高めたとしている。

業績も拡大基調にある。売上高は2022年の210億3000万ウォンから2023年に290億1000万ウォン、2024年には553億ウォンに増加した。2024年の増収額は前年比約262億9000万ウォン、増収率は約90.61%だった。

もっとも同社によると、2024年の売上急増には、為替差益を総額で認識する会計方針変更の影響が含まれる。この要因を除いた実質ベースの売上成長率は約60.43%としている。

営業利益は、2022年に7億6000万ウォンで黒字転換した後、2023年は21億2000万ウォン、2024年は51億8000万ウォンへ拡大した。2024年の増益額は30億6000万ウォン、増益率は約143.53%。営業利益率も2022年の3.64%から2023年は7.33%、2024年は9.84%に上昇し、2025年3Q時点では12.45%まで改善した。

2025年3Q時点の売上構成は、送金手数料が33.7%、外貨取引収益が25.0%、カード手数料が2.1%、その他手数料が39.2%となっている。

顧客の国籍別では中国が35.2%で最も多く、ベトナム、米国、タイ、ウズベキスタンが続く。営業エリアは、外国人労働者が集まる京畿道華城、金浦、慶尚南道金海、京畿道抱川などの工業団地を中心に広げている。

同社によれば、外国人労働者が職場の同僚や知人を通じてサービスを紹介し合うケースが多く、大規模な広告を打たなくても新規会員の流入が続く構造だという。

公募で調達する資金は、日本とオーストラリアの子会社におけるインフラ整備や戦略投資、他社買収などに充てる計画だ。同社は、国内の外国人向け送金市場で一定の基盤を築いた今を、グローバル展開を本格化する好機とみている。

具体的には、日本法人とオーストラリア法人で現地インフラの整備とマーケティングを強化し、収益源の多角化を進める。あわせて、外国人向けの総合ライフプラットフォーム構築に向け、関連企業の買収や戦略提携も推進する方針だ。

日本法人には2026年から2027年までに約40億ウォンを投じる計画。オーストラリア法人には約15億ウォンを配分し、留学生や在留同胞を中心とした市場の開拓を狙う。さらに約10億ウォンを投じ、現地銀行との直接連携システムやATMネットワークを拡充し、送金サービスの利便性を高める。

このほか約64億6000万ウォンは、新サービス投入と初期市場への定着に向けた運転資金に充てる。既存の送金利用者基盤を活用し、コマースや韓国を訪れる外国人向けサービスなど新たな事業モデルを広げ、外国人向けの金融・生活サービスを網羅するプラットフォームへ成長させる考えだ。

一方で、事業環境の先行きを慎重に見る向きもある。海外送金事業は為替変動などの外部要因が収益性を左右しやすいためだ。

Tossなど大手ビッグテックが海外送金サービスの拡大に動く中、競争激化を警戒する声もある。顧客接点や決済エコシステムを持つビッグテックが本格参入すれば、既存フィンテックを取り巻く競争環境が急速に変わる可能性がある。地政学リスクによって、特定国向け送金が制限される可能性も事業リスクとして挙がっている。

Hanpassの関係者は「送金過程で為替に一定のマージンを上乗せするスプレッドで収益を確保しており、約0.3%水準を維持している」と説明。「送金に先立って外貨を確保する『プリファンディング』方式の特性上、為替変動によって一時的な損益が生じることはあるが、影響は大きくない」とした。ビッグテックの参入についても「十分な競争力がある」としている。

業界関係者は「海外送金市場は、外国人労働者の増加やグローバルな人の移動拡大を背景に成長余地が大きく、上場時に高い評価を受ける可能性がある」と指摘する一方、「為替の変動性やビッグテックの市場拡大が、今後の競争力を左右する重要な要因になる」と話した。

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