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3月の配当取りシーズンを控え、韓国株市場では高配当銘柄が総じて底堅く推移している。上場企業の株主還元強化に加え、配当所得分離課税の導入が重なり、配当株への資金流入が加速しているためだ。

足元では、金融や通信など、従来から配当株として選好されてきた業種の強さが目立つ。政府の企業価値向上プログラムに呼応し、主要上場企業が相次いで積極的な株主還元策を打ち出したことが背景にある。加えて、今年受け取る配当から税負担が軽減される点も、投資家心理を支えている。

租税特例制限法の改正により、2026事業年度の配当からは、高配当の上場企業に投資する株主が配当所得分離課税を選択できるようになる。

対象となるのは、配当性向が40%以上、または配当性向が前年度比25%以上で、かつ配当金が前年比10%以上増加した企業だ。税制優遇を受けるには、企業価値向上計画の開示も義務付けられる。

高配当上場企業の株主は、金融所得総合課税の対象として最高45%の累進税率が適用されていた従来の仕組みに代わり、最高30%の分離課税を選べる。配当所得が2000万ウォン以下の部分についても、税率は従来の14%から9%に引き下げられる。

韓国株市場で長年指摘されてきた「コリア・ディスカウント」の一因には、低い配当利回りと配当課税の仕組みがあった。高額資産家にとっては、配当を多く受け取るほど税負担が急増し、企業側にも配当を積極的に増やす誘因が乏しかった。

今回の税制見直しによって、制度面の環境は大きく改善した。個人投資家の税引き後利回りの押し上げも見込まれ、高配当株を先回りして組み入れようとする資金が継続的に流入している。

証券業界では、配当所得分離課税の恩恵を受けやすい業種として、銀行や証券などの金融株、通信株、主要持株会社を挙げる。利益の安定性が高く、株主還元の拡大にも積極的で、高配当の要件を満たす可能性が高いという見方だ。

金融株では、底堅い収益基盤に加え、不動産プロジェクトファイナンス(PF)関連の引当負担が和らいでいることから、配当余力は十分とみられている。KB Financial GroupやShinhan Financial Groupなど大手金融持株会社は、継続的な増配と大規模な自社株消却を通じ、総株主還元率を引き上げている。

証券業界によると、KB Financial Group、BNK Financial Group、JB Financial Groupなどは、安定した業績と高い予想配当利回りを背景に、配当株としての存在感を高めている。

通信株も有力な受益セクターとみられている。KTやSK Telecomは、安定したフリーキャッシュフロー創出力を背景に、高い配当性向を毎年維持している。

なかでもKTは、収益性の改善に伴い、配当利回りが5%台に達する見通しだ。分離課税のメリットを享受しやすい有力銘柄として評価されている。

持株会社では、HD Hyundai、POSCO Holdings、GS、LX Holdingsなどが注目銘柄として挙がる。

主要持株会社は、上場・非上場子会社からの受取配当などを原資に株主還元を拡大している。企業価値向上の流れを追い風に、手元資金を活用した積極的な自社株消却や現金配当を進め、企業価値の見直しにつなげている。

HD Hyundaiは主要子会社の業績を背景に、安定した配当利回りを確保している。KT&Gも、自社株消却と高配当政策を並行して進め、株主価値の向上に取り組んでいる。ETF市場でも、高配当・バリュー株ファンドへの資金流入が続いており、配当株全体の底堅さを支えている。

もっとも、配当株の物色が続く局面でも銘柄選別は欠かせない。足元の配当利回りの高さだけを追うのではなく、営業利益の安定性を備え、中長期で配当を継続できる企業かどうかを見極める必要がある。

市場関係者は、分離課税の恩恵を十分に受けるには、企業が高配当上場企業の要件を維持できるだけのファンダメンタルズを示すことが重要だと指摘する。無理な配当で財務が悪化する「配当の落とし穴」にも注意が必要だという。

韓国投資証券のヨム・ドンチャン研究員は「米国のビッグテック株の上昇が鈍るなか、配当株の強さが改めて確認されている」としたうえで、「韓国でも配当所得税引き下げの効果が加わり、配当株が上昇している」と述べた。

そのうえで「今から買っても配当を受け取れるうえ、配当所得税引き下げの対象となる企業に注目する必要がある」と話した。

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