LangChainの共同創業者でCEOのハリソン・チェイス氏は、AIエージェント開発の成否を左右する要素として「ハーネスエンジニアリング」を挙げた。あわせて同社は、長時間タスクのループ実行を支える汎用基盤「Deep Agents」を発表した。
チェイス氏はVentureBeatのポッドキャストで、ハーネスエンジニアリングについて「コンテキストエンジニアリングの延長線上にある」と説明した。
ここでいうハーネスとは、AIモデルが反復的にツールを呼び出しながら、長時間にわたるタスクを実行できるようにする実行基盤を指す。
チェイス氏は、足元の潮流について「コンテキスト管理をモデル側により多く委ねる方向に向かっている」とも語った。モデル自身が、どの情報を参照し、どの情報を参照しないかを判断するという意味だ。
同氏によれば、過去にはモデル性能が十分でなく、安定したループ実行は難しかったという。
例として挙げたのがAutoGPTだ。基本構造は現在の先端的なエージェントと大きく変わらなかったが、当時のモデルではループを安定して回せる水準に達しておらず、早い段階で定着しなかったと述べた。
こうした課題に対応するため、LangChainはDeep Agentsを投入した。Deep AgentsはLangChainとLangGraphをベースに構築した汎用ハーネスで、計画立案、仮想ファイルシステム、コンテキストトークン管理、コード実行、スキルメモリなどの機能を備える。
タスクはサブエージェントに委任でき、各サブエージェントは異なるツールや設定のもとで並列に動作する。
LangChainによると、サブエージェントの処理はメインエージェントのコンテキストから切り離して扱える。このため、大きな実行結果は1つの成果物に集約し、トークン消費の効率を高められるという。
チェイス氏は、200段階に及ぶ作業でも進捗を追跡し、一貫性を保つには、モデルが途中経過を記録しながら処理を進められる構造が必要だと強調した。