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ロシアで、離婚時の財産分与を巡る新たな争点として暗号資産が浮上している。自動車や不動産といった有形資産と異なり、暗号資産は保有の有無や所有者の特定が難しく、分与手続きを複雑にしているためだ。

BeInCryptoが3月5日(現地時間)に報じたところによると、背景には2020年の法改正がある。ロシアではこの改正により暗号資産が無形資産として認められ、Bitcoin(BTC)などのデジタル資産も、婚姻期間中に取得した共同財産として扱われる余地が広がった。

ただ、暗号資産は有形資産のように権利関係を公的書類で直ちに確認できるとは限らない。ロシアの法律事務所Dovgilova & Partnersの代表弁護士、オルガ・ドビロバ氏はロシアメディア「ガゼタ」の取材に対し、「アパートなら書類で所有権を示せるが、暗号資産はまず、その資産が存在すること自体を立証しなければならない」と説明した。

暗号資産を一方の配偶者だけが管理している場合、問題はさらに深刻になる。もう一方がウォレットのパスワードやアカウントへのアクセス権を把握していなければ、保有額の確認すら難しいためだ。

とりわけ海外取引所に保管された資産は扱いが難しい。取引所側にはロシアの裁判所に情報を提供する義務がなく、法的手続きを進める上で大きな障害になっている。

匿名性の高さも壁となる。ブロックチェーン上のアドレスだけでは実際の所有者を特定しにくく、分与対象となる資産を正確に把握できないケースが少なくないという。

こうした法的な空白を埋める動きも出ている。ロシア下院(国家院)のイゴール・アントロペンコ議員は、暗号資産を夫婦の共同財産として明確に位置付ける家族法の改正案を提出した。

改正案では、婚姻期間中に取得したデジタル資産を共同財産とみなす。一方、結婚前に取得した暗号資産や、婚姻中に贈与で受け取った暗号資産は個人財産として扱うとしている。

もっとも、専門家の間では、法案が成立しても実務上の問題が直ちに解消されるわけではないとの見方が強い。資産の存在をどう立証するか、海外取引所に対してどこまで情報開示を求められるか、匿名性の高い資産をどう追跡するかといった課題が残るためだ。

専門家は、暗号資産が投資や資産保全の手段として普及するにつれ、離婚訴訟でデジタル資産の分与が争点となるケースは今後さらに増える可能性があるとみている。

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