クラウドコンテンツ管理を手がけるBoxが、市場予想を上回る四半期決算を発表した。AIが企業向けソフトウェア市場を揺るがすとの見方が出る中でも、同社は増収を確保し、先行き見通しも市場予想を上回った。
前四半期の調整後1株利益(EPS)は49セントとなり、市場予想の34セントを上回った。売上高は前年同期比9%増の3億590万ドルで、市場予想の3億420万ドルを上回った。
残存履行義務(RPO)は前年同期比17%増の17億ドルに拡大した。調整後営業利益率は30.6%と、前年同期の27.3%から改善した。
決算発表後、Box株は時間外取引で4%超上昇した。純利益は8170万ドルと、前年同期の1億9400万ドルから減少したものの、市場ではEPSの上振れや強気のガイダンスが好感された。
アーロン・レヴィCEOは、成長要因としてサブスクリプションサービス「Enterprise Advanced」を挙げた。同サービスは、BoxのAI機能や各種ツールを利用できる法人向けプランで、売上高の約1割を占める規模に拡大したという。
レヴィCEOは「顧客は企業コンテンツの扱いを変えるため、AI活用を模索している」と述べた。
同社のAI戦略の中核には、2023年に投入した「Box AI Suite」がある。複数のAIエージェントを備え、反復的な業務の自動化を支援する。ユーザーは「Box AI Studio」を通じて、自社向けのAIエージェントを構築することもできる。
Boxは最近、Box AI Suiteに2つの機能を追加した。「Box Extract」は文書内の情報を自動抽出するツールで、人手では見つけにくいデータの抽出を支援する。「Box Shield Pro」はAIベースのセキュリティ機能で、コンテンツ分類の自動化、ランサムウェア検知の迅速化、セキュリティ運用の効率化を支援する。
エンタープライズソフトウェア企業の中には、予想を上回る決算でも株価が下落する例が少なくないが、Boxは異なる値動きとなった。背景には、会社側が示した強気の見通しがあるとみられる。
今四半期のEPSガイダンス中央値は36セントで、市場予想の32セントを上回った。売上高見通しは3億400万ドルと、市場予想の2億9650万ドルを上回る。通期売上高見通しも12億7500万ドルとし、市場予想の12億7000万ドルを上回った。