写真=Reve AI。Tesla Model Yは2026年1月の世界EV販売で首位を維持したが、前年同月比では減少した。

2026年1月の世界の電気自動車(EV)市場は、米国と中国での税制優遇の縮小・終了が響き、前年同月を下回った。一方で、アジアや一部の新興国では販売拡大が続いており、地域ごとの強弱が一段と鮮明になっている。

EVメディアのCleanTechnicaが5日(現地時間)に伝えた販売動向レポートによると、1月の世界のプラグイン車登録台数は約120万台で、前年同月比6%減だった。内訳は、バッテリーEV(BEV)が4%減、プラグインハイブリッド車(PHEV)が8%減となった。

BEVとPHEVがそろって前年割れとなるのは異例だ。背景には、米中両国での優遇策縮小の影響があるとみられる。ただ、米国と中国を除けばEV販売は増加しており、世界市場全体の失速というより、主要市場の政策変更が押し下げ要因になったとの見方が示された。

世界の自動車市場に占めるプラグイン車の比率は1月時点で18%、このうちBEVは12%だった。とりわけ、これまで存在感の小さかった市場で伸びが目立ったという。

1月の登録台数が1000台を超えた市場のうち、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、韓国などアジアの多くの国・地域で100%超の成長を記録した。アゼルバイジャン、ベラルーシ、ポーランド、ウルグアイでも高い伸びがみられた。

市場構造の変化を支えているのが、中国メーカーの輸出拡大だ。中国メーカーは国内での収益性低下を補うため海外展開を加速しており、輸出先では価格競争が激化するとともに、EVの選択肢も広がっている。

これにより、内燃機関車を主力としてきた既存完成車メーカーの負担は増している。一部市場では中国勢が圧倒的なシェアを握る動きも出ている。

車種別では、Tesla Model Yが5万3074台で首位を維持した。前年同月比では7%減だったが、2位との差は約1万5000台あり、トップの座を守った。

2位はXiaomi YU7、3位は約3万1000台を記録したGeely Xingyuan(EX2)だった。

Tesla Model Yの優位は、当面は揺らぎにくいとみられる。Xiaomi YU7は現時点で事実上、中国市場中心の販売にとどまり、Geely Xingyuan(EX2)も輸出拡大は始まったばかりだからだ。

もっとも、中国EVの海外進出がさらに広がれば、競争が本格化する可能性がある。

一方、Tesla Model 3は不振が目立った。1月の販売は1万5000台を下回り、前年同月比47%減。順位も10位に後退した。販売水準としては、新型コロナウイルスの影響が大きかった2020年4月以降で最も低かったという。

上位では、中国の大型EVの伸長も目立った。AITO M7が4位に入り、前年2位だったBYD Songは5位に後退した。

BYD Songの1月販売は2万6608台で、前年同月比44%減だった。ただ、海外販売の比率は66%まで上昇しており、中国国外では競争力を維持しているとの見方が示された。

このほか、NIO ES8、Fang Cheng Bao Tai 7、Li Auto i6など、中国勢の新型車が上位に相次いで入った。2026年1月は、新興メーカーのモデルの存在感が大きく高まった月でもあったという。

実際、前年同月は上位の中で新興メーカーのモデルが1車種にとどまっていたのに対し、今年は5車種に増えた。

一方、中国市場の販売減少は、欧州ブランドにとって一時的な反転の余地ももたらした。BMW X1 PHEV/iX1、Skoda Elroq、Renault 5/Alpine A290が20位圏内に入った。

日本勢では、Toyota bZ4Xが1万738台を販売し、13位だった。

2026年1月の世界EV市場は、米中の政策変更を受けて短期的な調整局面に入ったものの、市場全体の成長力が失われたとまでは言えない。アジア・新興国の拡大、中国メーカーの輸出攻勢、新興勢の台頭が重なり、今後の競争は一段と激しくなりそうだ。

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