Kbankは5日、3月5日にKOSPI市場へ上場すると発表した。IPOで調達する資金は、中小事業者向け金融の拡大やプラットフォーム事業の強化、デジタル資産分野への投資に重点配分する。AI基盤やアプリの高度化も進め、成長領域への投資を本格化させる方針だ。
同日、ソウル市汝矣島のコンラッドホテルで記者懇談会を開いたチェ・ウヒョンKbank頭取は、「今回の上場は次の成長に向けた本格的な出発点だ」と述べた。
調達資金は、預金・貸出商品の競争力強化に加え、中小事業者向け市場への本格参入、技術力の強化、プラットフォーム事業の拡大、新規事業への投資に振り向ける。
まず、これまで個人向け融資中心だった事業ポートフォリオを中小事業者向けへ広げる。2030年までに、個人向けと中小事業者向けの比率を5対5とし、収益源の多様化を図る考えだ。
このため、信用審査モデル(CSS)の高度化を進めるほか、中小事業者向け商品の拡充に取り組む。業界で初めて投入した非対面の個人事業者向け不動産担保融資を成長の柱に据え、資産の健全性を確保しながら事業規模を拡大する。
チェ頭取は、リテール分野についても「依然としてKbankの中核だ」と強調した。その上で、主力商品の拡販に加え、外国人や未成年など新たな顧客層の開拓を通じて、顧客基盤と月間アクティブユーザー数(MAU)を継続的に拡大していく考えを示した。
プラットフォーム事業も主要な投資分野に位置付ける。MUSINSAなど大型プラットフォームとの提携金融サービスを広げ、顧客トラフィックとパートナー基盤を生かした金融・生活一体型プラットフォームの構築を急ぐ。
チェ頭取は「オープンエコシステムを基盤に、金融と生活が結び付いたプラットフォームエコシステムを完成させる」と述べた。
中小事業者向け融資も段階的に拡大する。今年は小規模事業者向け不動産担保融資の担保対象を広げるほか、保証付融資商品のラインアップを強化する。さらに、中小企業向け法人融資市場への参入準備も進めている。チェ頭取は「2027年には、国内初となる非対面の中小企業向け法人融資商品を投入する計画だ」と明らかにした。
デジタル資産分野への投資も本格化する。Kbankはこれを次世代の成長の柱と位置付けており、IPOで確保した資金をもとに関連事業を拡大する。
同社は株式や債券に加え、暗号資産や金など代替投資商品の拡充を進めるとともに、デジタル資産インフラの構築を将来の中核事業に育てる戦略を掲げる。
特に注力するのが、ステーブルコインを活用した海外送金・決済インフラの整備だ。上場後に確保する資本を専任組織の拡充と技術の内製化に投じ、グローバルなデジタル金融ハブを目指す。
チェ頭取は「法制化が完了すれば、銀行コンソーシアムに主導的に参加し、ステーブルコインを発行する計画だ」と説明。「高成長が見込まれるステーブルコイン市場で、最大の恩恵を受ける銀行を目指す」と述べた。
活用領域も広げる。BCカードの決済インフラに加え、グローバル金融機関やデジタル資産企業との協業を通じて、ステーブルコイン基盤の海外送金・決済ネットワークを構築する方針だ。
すでにKbankは、アラブ首長国連邦のデジタル資産企業やタイのKasikornbankとMOUを締結し、関連インフラの構築に着手した。同日には、ステーブルコイン基盤の海外送金デモ映像も初公開した。
チェ頭取は「ブロックチェーン技術によって、従来の海外送金に伴う複雑な仲介構造を見直した」と説明した。「これまで数日を要していた送金時間はリアルタイムになり、数万ウォンかかっていた手数料も無料に近い水準まで下がる。顧客利便性は大きく高まる」とした。
今後は、規制環境の整備に合わせて海外パートナーシップを拡大し、デジタル資産基盤の金融サービスの商用化を本格的に進める計画だ。
このほか、AIインフラの拡充、アプリの高度化、情報保護システムの強化など、技術面への投資も継続する。
上場に伴う公募規模は6000万株。想定発行価格は1株8300〜9500ウォンで、上限ベースの公募総額は約5700億ウォン(約63億円)となる。上場完了時にBIS比率へ反映される資本流入効果は、約1兆ウォン(約110億円)規模を見込む。
Kbankは10日まで需要予測を実施し、12日に公募価格を確定する。一般投資家向けの募集・売り出しの申し込みは20〜23日に受け付け、3月5日に上場する予定だ。
チェ頭取は「市場の見方を反映し、従来より公募価格を引き下げるとともに、上場日に流通する株式数も調整するなど、株主に配慮した公募構造を整えた」と説明した。その上で、「確保した資本力をもとに競争力を高め、顧客と株主の双方から信頼される革新金融企業を目指す」と述べた。