Tiger Researchは2月5日、「2026 いまはクリプト・ウィンターなのか? 規制後の市場変化」と題する報告書を公表した。暗号資産市場の調整が続くなか、直近の下落は過去のクリプト・ウィンターとは発生要因も市場構造も異なるとの見方を示した。
同社によると、過去のクリプト・ウィンターは、「大型事故や破綻の発生→市場の信頼低下→人材流出」という流れをたどってきた。2014年のMt.Goxハッキング、2018年のICOバブル崩壊、2022年のTerra-LunaとFTXの破綻はいずれも、業界内部の問題が発端だったとしている。
これに対し、今回の局面ではETF承認や関税政策といった外部要因が相場変動を主導している点が大きく異なると分析した。
報告書では、トランプ・ミームコインが1日で90%下落したことや、米国の対中100%関税の発表を受けてBinanceで過去最大規模の清算が発生したことを挙げた。清算規模は190億ドルで、約2兆8500億円に上ったという。一方で、過去の下落局面で見られたような開発者や事業者の離脱は確認されなかったと評価した。
また、RWA、PerpDEX、予測市場、InfoFi、プライバシーといった新たな投資テーマが継続的に登場しており、過去の「冬」とは様相が異なると説明した。
そのうえで、規制導入後は市場構造そのものが再編され、今後の相場展開も従来とは変わると見通した。市場は「規制圏」「非規制圏」「共有インフラ」の3層に分かれ、これまで見られた、Bitcoinの上昇がアルトコイン全体に波及する「ナイアガラ効果」は薄れたと分析している。
ETFを通じて流入した機関投資家マネーはBitcoinにとどまり、非規制領域には流れ込まなかったとも指摘した。
次の上昇局面の条件としては、非規制圏で新たなキラー・ユースケースが生まれることに加え、追い風となるマクロ経済環境の形成を挙げた。候補として、人工知能(AI)エージェント、InfoFi、オンチェーン・ソーシャルなどを示したが、市場全体を動かす規模にはまだ達していないとした。
報告書の著者で、Tiger Researchリサーチセンター長のユン・スンシク氏は、「業界そのものが崩れたのではなく、外部環境が変化し、規制によって市場構造が再編された」と指摘した。そのうえで、「過去のようにあらゆる資産が一斉に上昇するクリプト・シーズンの再来は容易ではない。今後は、規制圏は安定成長、非規制圏は高ボラティリティという構造が定着する」と述べた。