SK hynixの利川M16(写真=SK hynix)

SK hynixの株価が1株100万ウォンに迫るなか、市場では株式分割観測が強まっている。証券各社が目標株価を相次いで引き上げる一方、売買の活性化や資金調達手段の確保をにらみ、10対1の分割案を有力視する見方も浮上している。

Mirae Asset Securitiesは最近、SK hynixの目標株価を137万ウォンに引き上げた。従来の95万ウォン台から約43%の上方修正となる。Hyundai Motor Securitiesは100万ウォン、Kiwoom Securitiesは105万ウォン、Morgan Stanleyは110万ウォンをそれぞれ示している。

市場では、SK hynixの業績拡大を背景に株価の再評価が進むとの見方が出ている。2026年の営業利益見通しは140兆〜148兆ウォンに収れんしているとされ、Morgan Stanleyは2026年に179兆ウォン、2027年に225兆ウォンに達すると予想した。

株価上昇の背景には、業績の先行きの見通しやすさがある。Kiwoom Securitiesによると、SK hynixの1〜3月期営業利益は28兆ウォンとなり、市場コンセンサスの22兆5000億ウォンをすでに上回る見通しだ。汎用DRAMとNANDの価格は前四半期比でそれぞれ47%、45%上昇する見通しで、価格上昇が収益を押し上げる構図だ。

Hyundai Motor Securitiesは「HBM、汎用DRAM、企業向けSSDはいずれも4〜6月期も20%台の価格上昇が続く」とし、1〜3月期の売上高を54兆5000億ウォン、営業利益を34兆6000億ウォンと見込んでいる。

株価が100万ウォンを超えれば、株式分割の議論が本格化する可能性がある。SK hynixの額面は現在5000ウォンで、市場で有力視されているのは10対1の分割案だ。額面を500ウォンに引き下げ、1株当たりの価格を10万ウォン台に調整するシナリオで、2018年にSamsung Electronicsが実施した50対1の分割とは異なるアプローチとなる。

10対1分割案が有力視される背景には、NVIDIAの先例がある。NVIDIAは2024年6月に10対1の株式分割を完了し、1株1000ドル超だった株価は100ドル台となった。これにより個人投資家が買いやすくなり、分割発表後1カ月で株価は30%上昇した。Bank of Americaによると、ニューヨーク市場で株式分割を実施した銘柄の1年平均リターンは25%だったという。

一方、Samsung Electronicsは2018年の50対1分割後、株価が伸び悩んだ例として取り上げられている。株価は250万ウォン台から5万ウォン台に低下し、個人投資家の資金流入を呼んだものの、米中貿易摩擦も重なって長く横ばい圏で推移した。SK hynixが仮に50対1分割を実施し、株価が2万ウォン台まで下がれば、値動きが荒くなる可能性があるとの懸念が、10対1シナリオを後押ししている。

株式分割を巡る議論の背景には、資金調達面の事情もある。SK hynixは1月末、12兆ウォン規模の自社株消却を決定した。発行済み株式の2.1%に相当する。株主価値の向上を狙った一方で、米国預託証券(ADR)上場や交換社債(EB)発行に活用できる担保資産は減ることになる。

同社は2023年4月、自社株を活用して2兆ウォン規模の交換社債を発行した実績がある。当時は調達資金を再投資に振り向け、人工知能半導体市場の成長初期にHBM分野で主導権を確保する一助になったとしている。

もっとも、足元では投資負担が再び膨らんでいる。SK hynixによると、クリーンルーム1万坪当たりの投資費用は、2019年に龍仁半導体クラスター計画を公表した当時の約7兆5000億ウォンから、昨年稼働を始めた清州M15Xでは約20兆ウォン水準まで増えた。

こうした状況を受け、SK hynixは一般向けの説明資料で「投資機会を逃さず、景気変動に左右されずに投資を継続できるかが課題だ」「従来の資金調達手法には限界がある」と説明したことがある。投資資金の確保が急務となるなか、市場では株式分割が現実的な選択肢として意識され始めている。業界関係者は「株価が100万ウォン水準に定着してから、本格的な議論に入るのではないか」と話している。

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