オープンソースAIエージェント「Openclo(ClaudeBot)」への関心が急速に高まっている。メールやカレンダー管理、Web検索といった業務の自動化を支援する一方、扱いを誤れば情報漏えいなどにつながりかねないとの懸念も強まっている。AI業界ではこのほか、NVIDIAがDassault SystemesやSiemensとの協業を通じ、フィジカルAI分野で連携を広げる動きも目立っている。
Opencloは開発者コミュニティを中心にオンラインで利用が広がり、短期間で主要メディアでも取り上げられる存在となった。メールやカレンダーの管理、Web検索、オンラインサービスの利用などを自動化できるのが特徴だ。
利用にあたってはAnthropicのClaudeやChatGPTとの連携が必要で、現時点ではWhatsApp、Telegram、Discordなどのメッセンジャー上で、テキスト命令を通じて動作する。ユーザーの行動を学習する「継続的メモリ」機能も備え、個々の利用者に合わせた作業実行が可能だという。
Opencloを土台に、AIエージェントだけが参加できるSNS「Moltbook」も登場した。関心の広がりを受け、サム・アルトマン氏やイーロン・マスク氏も言及している。
もっとも、注目度の高まりとともに安全性を巡る議論も活発化している。とりわけ、技術に詳しくない利用者が誤って扱った場合、セキュリティ上の重大な問題を招くおそれがあるとの指摘が相次いでいる。
フィジカルAIを巡っては、有力テック企業同士の提携も広がっている。足元では、製造ソフトウェア大手とNVIDIAの協業が加速している。
Dassault Systemesは年次カンファレンス「3DEXPERIENCE World 2026」で、NVIDIAとフィジカルAIプラットフォーム構築に向けて協力すると正式発表した。Dassault Systemesのバーチャルツイン技術と、NVIDIAのコンピューティング基盤、AIモデル、CUDA-Xソフトウェアライブラリを統合する。
Dassault Systemesは、この取り組みによって、生物学、材料科学、エンジニアリング、製造分野にまたがる各種アプリケーションに加え、「3DEXPERIENCE」プラットフォームに組み込まれたAIベースの「バーチャル・コンパニオン」も支援できるとしている。SiemensもNVIDIAと協力し、GPUベースのデジタルツイン拡張を進める。
AIを巡る各社の発表も相次いだ。OpenAIは、AIベースのコーディング支援アプリ「Codex」をAppleコンピュータ向けの独立アプリとして提供する。企業価値を8300億ドルと見込み、追加で1000億ドルの資金調達を進めているとも報じられている。
この資金調達を巡っては、Amazonが少なくとも500億ドルを投資する可能性が高いとの見方も出ている。一方、OpenAIの動画生成AIアプリ「Sora」は、昨年10月の公開直後に大きな注目を集めたものの、足元では急速に失速しているとの見方もある。
Appleは開発基盤「Xcode」にエージェント型コーディング機能を追加した。OpenAIとAnthropicのAIエージェントと連携し、Xcode利用者がAIコーディング機能を使えるようにする。あわせて、イスラエルのオーディオAIスタートアップQ.AIを買収した。
AnthropicはAI協業ツール「Cowork」にプラグイン機能を追加する。カスタム自動化を強化する狙いで、非開発者でも使いやすい設計とし、マーケティング、法務、顧客対応などの業務を支援する。
Anthropicのこうした動きは、既存の企業向けソフトウェア各社の株価にも重荷となっているようだ。法務、コンサルティング、金融サービスなど高付加価値領域にも展開可能とみられており、従来型ソフトウェア業界を脅かす可能性があるとの見方も広がっている。
AIデータクラウドのSnowflakeは、OpenAIと2億ドル規模のパートナーシップを締結した。OpenAIのモデルを「Snowflake Cortex AI」で標準提供し、AWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platformを含む主要クラウド環境で、Snowflakeの約1万2600社の顧客が利用できるようにする。
Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは前四半期決算後のカンファレンスコールで、「2025年にMetaのAIプログラムを再構築し、今後数カ月以内に新たなAIモデルと製品を投入する」と述べた。AIを活用したコマースにも注力し、新たなAIショッピングツールによって、利用者ごとに最適化した商品推薦を可能にすると強調した。
GoogleがAIで3D仮想環境を生成する「Project Genie」を発表し、ゲーム業界でも波紋が広がっている。Take-Two、Roblox、Unityなどゲーム関連企業の株価が最大21%下落したとの報道も出た。Googleはあわせて、Googleマップアプリで歩行者や自転車利用者もAIアシスタント「Gemini」を活用できるよう機能を拡張した。
Salesforceは、企業内に分散するAIエージェントや各種ツールを統合管理できる次世代基盤「MuleSoft Agent Fabric」を公開した。
Elis Groupは、複雑な形式の文書をAIが自動で分析し、構造化データに変換する文書分析ソリューション「Helpy Document Vision」を発表した。AIスタートアップWaddleは、バレエ用品専門EC「I Ballet Shop」に対話型AIエージェントソリューション「Gentoo」を供給し、バレエ用品に特化したリアルタイムの顧客対応サービスを提供する。スタートアップアクセラレーターのSparkLabsは、顧客対応AIエージェントを手がけるTeamkaiにシード投資を実施した。
一方、NVIDIAがOpenAIに最大1000億ドルを投資しようとしていた計画には、ブレーキがかかったとの見方も出ている。背景には、NVIDIA社内でこの取引に対する疑問の声が上がったことがあるとされる。
中国では旧正月前後に、ビッグテック各社が次世代AIモデルを相次いで投入する見通しだ。OpenAI、Google、Anthropicなど米国勢にどの程度の圧力となるのかに加え、中国国内のAI勢力図にどのような変化をもたらすかにも注目が集まっている。