Binance創業者で元CEOのチャンポン・ジャオ(CZ)は3日、自身とBinanceを巡って市場で拡散している4つの臆測について、X(旧Twitter)で相次いで否定した。あわせて、ユーザー資産保護基金「SAFU」の一部をステーブルコインからビットコインへ振り替える方針についても説明した。
ブロックチェーンメディアのCoinPostによると、CZは同日、SNS上で広がった複数の臆測について「事実と異なる内容が多い」と反論した。
最初に取り上げたのは、予測市場プラットフォーム「Polymarket」を巡る投稿だ。SNS上では、特定の事象が発生し、関連市場で700万ドルの取引高が生じたとの主張が広がっていた。これに対しCZは、「そのような事象自体が存在しない」とした上で、「700万ドルの取引高という話も事実ではない」と否定した。
次にCZは、「CZが暗号資産のスーパーサイクルを止めた」とする見方を退けた。「私にそんな力があるなら、SNSで皆さんと会話していない」と述べ、自身の発言が過度に解釈されたとの認識を示した。その上で、「以前ほど確信が持てないと言っただけで、市場の流れを止めたという意味ではない」と付け加えた。
3つ目は、「Binanceが10億ドル規模のビットコインを売却した」との臆測だ。CZは、売却したのはBinanceではなく、Binance利用者による10億ドル相当のビットコイン売却だと説明した。取引所ウォレットの残高は顧客の入出金に応じて増減するものであり、Binance自身が資産を売却したとみるのは誤りだとした。
最後に、SAFUを巡る臆測についても言及した。CZは、SAFUの一部をステーブルコインからビットコインへ約30日かけて段階的に振り替える予定だと明らかにした。「10億ドルを30日間で買い付けても、時価総額が約1兆7000億ドルのビットコイン市場への影響は限定的だ」と述べ、「いまは再びBuildに戻る」とした。
今回の発言の背景には、昨年の大規模な強制清算以降、Binanceに対する不信感がなお残っていることがある。昨年10月10日には、Binanceで約190億ドル規模の強制清算が発生し、その後も取引所のシステム安定性やリスク管理を巡る批判が続いてきた。
Ark Investのキャシー・ウッドCEOも今年1月26日、Fox Businessのインタビューで「Binanceのソフトウェア障害が約280億ドル規模のレバレッジ解消を招いた」と発言し、当時のビットコイン急落の一因としてこの問題を挙げた。これを機に、BinanceとCZに対する批判は再燃した。
Binanceは当時、被害を受けた利用者に約2億8300万ドルを補償したが、補償額は清算総額の約1%にとどまり、不十分だとの指摘が続いた。信頼回復が課題となる中、同社は1月30日、SAFUの10億ドル分をステーブルコインからビットコインへ振り替えると発表した。
Binanceは、ビットコイン価格の変動でSAFUの価値が8億ドルを下回った場合、再び10億ドル水準まで補充する方針も示している。今回のCZの説明は、こうした対応後も続く臆測や不確実感を和らげる狙いがあるとみられる。