Kakao Gamesは、SMのIPを活用したモバイル向けマッチ3パズル「SMiniz」で、デジタル時代の新たな“推し活”体験の創出を狙う。開発を手がけるMeta Boraは2日の説明会で、アーティストの外見的特徴からファンダムの行動様式までをゲームに反映したと明らかにした。
同社は、単なるライセンスゲームではなく、ファンが“推し”に抱く細かな愛着や収集・共有の楽しさをゲームシステムに落とし込んだ点が特徴だと説明した。アイドルIPそのものを消費するのではなく、ファンダムの感情や行動の構造をゲームとして再構成した形だ。
◆ほくろの位置までデータ化、ファンの視点でキャラクターを再現
Meta Boraは「Friends Tower」「Pixar Tower」「Everytown」「I Love Coffee」などのカジュアルゲーム開発で培ったノウハウを基に、アイドルファンダム文化の再現に力を入れた。
キム・ソヒ制作本部長は「従来のアイドルゲームがゲーム性の独創性や、アーティストをきれいに見せることに重きを置いていたとすれば、当社は広く親しまれているゲーム性をベースに、収集後のデコレーションや共有といったデジタル“推し活”文化の実装で差別化した」と語った。
キャラクター制作では、ファンサイトやファン撮影映像などを分析し、アーティストごとの身体的特徴をデータ化した。キム・ヨンファ企画リードは「目元のどの位置にほくろがあるか、眉の角度や耳の形、小さな傷跡まで探し出して反映した」と説明。「喜ぶ、あいさつするといったアニメーションも、各メンバーの個性に合わせてすべて変えている」と述べた。
開発陣は、こうした細部の作り込みによって、キャラクターを単なるゲーム内モデルではなく、ファンにとって“自分が知っているあのアーティスト”として認識してもらうことが重要だとしている。
◆フォトカード収集やデコ機能で“推し活”の日常を再現
ゲームの基本構造にも、オフラインのファンダム文化を取り入れた。ユーザーはマッチ3パズルをプレイしてフォトカードを獲得でき、カードは実写画像とイラストを1組で提供する。
獲得したカードは、トップローダー風のデコレーションを自由に楽しめる仕様とした。さらに、食べ物の写真にフォトカードを添えて撮影する文化を反映し、専用カフェや鏡越しセルフィー用のテンプレートも用意した。
パク・イルウンPDは「フォトカードを手に入れるためにパズルを遊び、それを自慢しながら交流するというファンダムの循環を、ゲーム内で再現することに注力した」と話す。パズルを繰り返し遊ぶ動機を明確にし、収集後も継続して楽しめる設計にしたという。
2025年12月に実施したクローズドβテスト(CBT)の結果も良好だった。パク・イルウンPDは、リテンションやステージ達成率などの主要指標が一般的なパズルゲームと比べて相対的に高かったと説明。「フォトカードを軸にした仕組みに対する定性的な評価も高く、正式サービス開始後のプレイ意向スコアも好調で、社内でも手応えを得た」と述べた。
◆全メンバーを同条件で展開、課金負担も抑制
運用面では、特定グループや人気メンバーに偏らないよう、全メンバーを同一構成で実装した。キム・ヨンファ企画リードは「初回にグループと“推し”を選ぶと、そのメンバーが最も大きく表示されるパーソナライズ機能を適用した」と説明。「“推し”はチュートリアル終了後、いつでも無料で変更できる」とした。
収益モデルでは、パズルプレイ用の通貨と“推し活”向けの通貨を分け、ユーザー負担を抑えた。キム・ヨンファ企画リードは「パズル自体はプレイだけでも十分楽しめる設計にし、フォトカードのデコレーションを重視したいユーザーだけが、別通貨でステッカーやフレームを購入する方式にした」と説明した。
パク・イルウンPDは「ゲームに不慣れなファンでも遊びやすいよう、チームブロックスキルのようなバフ系システムを用意し、アイテムも十分に獲得できるよう設計した」と付け加えた。
アーティストに関する問題が発生した場合は、SM側と緊密に協議し、システム上の露出を調整するなど、ファン感情を最優先に対応する方針も示した。キム・ソヒ制作本部長は「そうした状況ではシステム対応も重要だが、ファンがどう受け止めるかを反映し、迅速にアップデートすることが大切だ」と強調した。
ゲームテンポは、ショート動画に慣れた世代を意識した。キム・ヨンファ企画リードは「一般的なゲームがロングフォームだとすれば、当社はショートフォームのようなテンポの良さと、ブロックが弾ける爽快感を生かした」と説明。ユーザーが選んだキャラクターに応じて特定ブロックの形状が変わり、ブロックを集めるとキャラクターがスキルを発動してパズルミッションを解決する協力システムも導入した。
Kakao Gamesは、先月31日に実施した「SMTOWN福岡コンサート」連動キャンペーンに続き、コンサートチケットやオフライン公式グッズとの連携など、さまざまな施策を検討している。「SMiniz」はNCT 127、NCT DREAM、WayV、RIIZE、NCT WISH、aespaの6グループに対応し、2026年1~3月期のグローバル展開を目指す。
パク・イルウンPDは「サービス開始後は安定運用を進め、その後のアップデートで対応グループを拡大していく計画だ」と述べた。