Raspberry Piは2日、メモリ価格の急騰を受けて、2GB以上のメモリを搭載する主要製品を追加値上げすると発表した。値上げは約2カ月ぶり。AI需要を背景としたメモリ市況の逼迫が、シングルボードコンピュータ市場にも波及している。
Ars Technicaによると、Raspberry PiのCEO、エベン・アップトン氏は、一部のメモリ部材価格が前四半期比で2倍超に上昇したと説明した。今回の価格改定の対象は、Raspberry Pi 4、Raspberry Pi 5、Compute Module 4、Compute Module 5、キーボード一体型のRaspberry Pi 500。
値上げ幅は、2GBモデルが10ドル、4GBモデルが15ドル、8GBモデルが30ドル、16GBモデルが60ドル。これにより、Raspberry Pi 5の16GBモデルは205ドル、8GBモデルはRaspberry Pi 4が125ドル、Raspberry Pi 5が135ドルとなり、いずれも100ドルを上回る水準となった。
同社はすでに昨年10月と12月にも、5〜25ドルの値上げを実施しており、今回はそれに続く追加措置となる。
一方、すべての製品が値上げ対象となるわけではない。1GBメモリを搭載するRaspberry Pi 4とRaspberry Pi 5は、それぞれ35ドル、45ドルで据え置く。Raspberry Pi 400のほか、LPDDR2メモリを採用する旧世代のRaspberry Pi 3シリーズ、Zeroシリーズも対象外とした。アップトン氏は、LPDDR2については十分な在庫を確保しており、当該製品群は現行価格を維持できると説明している。
Raspberry Piは35ドル前後の低価格を武器に、製造業や教育分野向けのプラットフォームとして普及してきた。OSやアプリケーション、各種オープンソースプロジェクトを軸とするエコシステムも強みだが、足元の価格上昇を受け、一部のユーザーの間ではx86ベースのミニPCや中古PCを代替候補とみる向きもある。実際、2022〜2023年の供給逼迫時には、単純な用途では旧型シンクライアントPCを選ぶ事例も増えたという。
アップトン氏は今回の値上げについて、一時的な措置との認識も示した。メモリ市場が正常化すれば、引き上げた価格を元に戻す考えだ。ただ、2026年を通じてもメモリ価格を巡る環境はなお厳しい可能性があるとしており、短期的な正常化には慎重な見方を示している。