韓国で先月施行されたAI基本法を巡り、企業から透明性確保義務や高影響AIの該当範囲に関する照会が相次いでいる。科学技術情報通信部は2月3日、産業界の疑問や課題に対応する「AI基本法支援デスク」を通じ、制度運用を支援していると発表した。
支援デスクは韓国AI・SW産業協会(KOSA)と共同で運営する。AI基本法に関して疑問を抱える中小企業やスタートアップ、一般企業を対象に、電話とオンラインで専門機関の専門家や法律専門家が相談に応じる。
1月22日の開設から10日間で受け付けた問い合わせは計172件。このうち電話相談が78件、オンライン相談が94件だった。
電話相談では、オンライン申請の手続きやAIの透明性確保義務に関する簡易な質問が多かった。電話だけでは対応しきれない案件についてはオンライン相談を案内し、実務上の疑問解消につなげた。
オンライン相談の内訳は、法第31条のAI透明性確保義務が53件(56.4%)で最多だった。続いて第33条の高影響AIの該当性確認が16件(17.0%)、第2条の定義に関する照会が10件(10.6%)だった。
AI透明性確保義務は、AI事業者が利用者に対し、AIベースの製品・サービスを利用していることや、提供される結果物がAIによって生成されたものであることを明確に認識できるよう求める内容だ。同部によると、自社サービスが義務の対象となるか、どのような方法で表示すべきかといった照会が続いている。
高影響AIを巡っては、提供中のAIがこれに該当するかどうかを確認する方法についての質問が目立った。用語の定義では、AI事業者と利用者の違いや、自社サービスがどちらに当たるのかを尋ねる相談が多かったという。
支援デスクは、オンラインで受け付けた相談について、受付日から72時間以内に回答することを原則としている。詳細な検討を要する案件は14日以内とする。ただ、企業の困りごとを早期に解消するため、開設初日から10日間は24時間以内に回答した。
科学技術情報通信部とKOSAは、支援デスクに寄せられた主な問い合わせと案内内容を基に、AI基本法の基準や適用範囲を盛り込んだQ&A事例集を3月までに作成し、公表する予定だ。
イ・ジンス科学技術情報通信部人工知能政策企画官は「AI基本法の施行初期の混乱を減らし、制度が現場に定着するよう支援デスクを運営している」と説明した。その上で「年末まで企業向けの相談と案内を続け、寄せられた内容を詳しく分析して制度改善に活用していく」と述べた。