半導体ウエハー。写真=PwC

韓国の1月の半導体輸出額は205億4000万ドルとなり、前年同月比102.7%増と大きく伸びた。月間輸出額は2カ月連続で200億ドルを超えた。AIデータセンター投資を背景に需要の季節性が薄れ、例年の「1月不振」が崩れた格好だ。1月の総輸出額658億5000万ドルのうち、半導体が32.2%を占めた。

韓国産業通商資源部によると、1月は通常、前年末の出荷集中の反動に加え、稼働日数の減少や旧正月休暇の影響で半導体輸出が落ち込みやすい時期とされる。それでも今年は、2025年12月の208億ドルに続いて200億ドル台を維持し、1月としては異例の高水準となった。半導体需要の構造変化をうかがわせる動きといえる。

輸出額を押し上げた主因は、メモリー半導体の価格上昇だ。1月の平均固定価格を前年同月と比べると、汎用DRAMのDDR4(8GB)は1.35ドルから11.5ドルへ上昇し、DDR5(16GB)は3.75ドルから28.5ドル、NANDフラッシュ(128GB)は2.18ドルから9.46ドルとなった。価格の急伸が輸出額の拡大に直結した。

背景には、AIサーバー向け需要の急増がある。大手テック企業によるデータセンター投資が四半期ごとの季節変動に左右されにくくなり、大容量メモリー需要が高水準で推移した。Samsung ElectronicsとSK hynixによる減産の影響も重なり、需給は引き締まった。従来はPCやスマートフォン向け需要を中心に1〜3月期の在庫調整が避けられなかったが、足元ではAIインフラ投資がこれを補っている。

地域別でも、季節性の変化が鮮明になっている。中国向け輸出は46.7%増の135億ドル、ASEAN向けは40.7%増の121億1000万ドルで過去最高を更新し、米国向けの120億2000万ドルを上回った。同部は、各地域で半導体が輸出増を主導したとみている。これまで1月は春節に伴う中国工場の稼働停止が響きやすかったが、今年はAIデータセンター投資が地域ごとの季節要因を弱めたという。

米国向け輸出も29.5%増えたが、品目別では明暗が分かれた。半導体は169%増と急拡大した一方、自動車は12.6%減、一般機械は34.2%減だった。トランプ政権による関税措置の影響を受ける主力品目が低迷するなか、半導体が全体を下支えする構図が浮かぶ。

半導体輸出が200億ドル規模に達したことは、Samsung ElectronicsとSK hynixの高帯域幅メモリー(HBM)での競争力を示す材料でもある。両社はAIサーバーに不可欠なHBMで世界市場を主導している。特にSK hynixはNVIDIA向けHBM3Eの供給で好調を維持しており、Samsung ElectronicsもHBM3Eの供給拡大を進めている。HBM4の供給も視野に入っている。

今後の焦点は、米国の半導体関税政策の具体化だ。業界では、AIインフラ投資の継続を背景に、半導体輸出の堅調さは上半期まで続くとの見方がある一方、関税の影響が本格化すれば伸びにブレーキがかかる可能性もあるとみている。キム・ジョングァン産業通商資源部長官は「国益を最優先に、米国との協議を続ける」と述べた。足元のDRAM価格上昇については、供給不足に伴う一時的な現象にとどまる可能性を指摘する声も出ている。

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