SpaceXの上場観測とTesla統合論を巡り、イーロン・マスク氏の長期構想に関心が集まっている。写真=Reve AI

SpaceXに1兆5000億ドル規模のIPO(新規株式公開)観測が浮上し、低迷が続く米IPO市場の起爆剤になるとの見方が強まっている。TechCrunchが30日(現地時間)に報じた。

報道によると、SpaceXは上期中の上場に向け、ウォール街の主要銀行と連携しながら準備を進めている。実現すれば、長引くIPO市場の停滞に変化をもたらし、公募市場の再活性化につながる可能性がある。

Rainmaker Securitiesのマネージングディレクター、グレッグ・マーティン氏は「SpaceXのような企業は、上場前からセカンダリー市場を通じて投資家や従業員に流動性を提供している」とした上で、「こうした流れは今後も続く」との見方を示した。

米IPO市場は2021年以降、低調な状態が続いている。このため、SpaceXのような有力未上場企業が市場回復の号砲になるとの分析も出ている。SpaceXは最近、8000億ドル規模の株式取引を実施し、市場の高い関心を改めて示した。

イーロン・マスク氏が率いるSpaceXは、ロケット打ち上げに加え、Starlinkや宇宙関連サービスへと事業領域を拡大し、独自の競争優位を築いてきた。マーティン氏は、上場によって大規模な資金調達が可能になる一方、未上場株市場の流動性も一段と高まるとの見通しを示した。

SpaceX以外でも、OpenAI、Anthropic、Stripeといった有力企業がセカンダリー市場で活発に取引されている。IPO市場が持ち直せば、上場に踏み切る企業がさらに増える可能性がある。

一方で、SpaceXのIPO観測とは別に、SpaceXとTeslaの統合論も取り沙汰されている。ただ、実現には複雑な課題が伴うとの見方が大勢だ。

両社はこれまで、取締役会メンバーの重複や、SpaceXがTeslaのRoadsterを宇宙へ打ち上げた事例などを通じて接点を持ってきた。ただ、足元の事業連携は限定的とされる。TeslaはAI・ロボティクス企業への転換を進めており、最近はModel X・Sの生産ラインをOptimusロボット製造向けに切り替えたという。さらに、TeslaとSpaceXはいずれも米国内で100ギガワット規模の太陽光発電を推進している。

マスク氏は、TeslaがAIチップを生産する「テラファブ」を構築すべきだと強調してきた。SpaceXの太陽光発電を活用するAI衛星との連携余地もあるという。最終的な目標は火星コロニーの建設にある。

マスク氏は、AIインフラを宇宙へ拡張する長期ビジョンも掲げる。最近のダボス会議では「AIの学習にとって最も低コストな空間は宇宙だ」と述べ、SpaceXが太陽光発電を活用するAI衛星の打ち上げを計画していると明らかにした。StarshipロケットとStarlink衛星を活用し、AIコンピューティングネットワークを構築する構想も持つという。

SpaceXは2030年までに無人の火星探査船を打ち上げる計画で、TeslaのOptimusロボットが任務に加わる可能性も高いとみられている。マスク氏は過去に、SpaceX、Tesla、The Boring Companyの統合案を前向きに評価したことがあり、これらの事業群が「Musknomics」の名の下で再編される可能性にも注目が集まっている。

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