30日の米ニューヨーク金融市場では、トランプ大統領によるFRB議長人事を巡る不透明感が重荷となり、主要株価指数がそろって下落した。ダウ工業株30種平均は前日比0.28%安の4万8932ドル台、S&P500種株価指数は0.29%安、ハイテク株中心のナスダック総合指数も0.35%下落した。
Economic Timesなどの海外メディアによると、トランプ大統領はジェローム・パウエルFRB議長の後任に、ケビン・ウォーシュ元FRB理事を指名したと発表した。これを受け、市場では金融政策の先行きに対する見方が分かれ、不確実性が強まった。ウォーシュ氏の起用が金融引き締めの長期化につながるとの警戒も広がった。
米10年債利回りは上昇し、ドルも強含んだ。金利上昇とドル高を背景に、金や銀など貴金属相場には売りが広がった。金は4%超下落し、国際銀先物は1日で約31%急落するなど、値動きの荒さが際立った。
市場では、FRB議長人事を巡る思惑と金利見通しの修正が相場の変動率を押し上げたとの見方が出ている。一方で、月間ベースでは主要指数が1月末時点でも底堅さを保っているとの指摘もある。
市場は、トランプ政権の通商政策リスクも一部織り込んだ。トランプ大統領がカナダ製航空機などに高関税を課す可能性に言及したことで、グローバル供給網への懸念が再燃し、景気敏感株への売りを強めたとの受け止めも出ている。
マクロ環境の変化に通商リスクが重なり、投資家のポジション圧縮が進んだとの見方が優勢だ。今後も金利の方向性とFRBの政策スタンスが、市場変動の主な要因になるとみられている。
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