タイのモバイル銀行LINE BKは1月30日、2025年の主要実績と2026年の事業戦略を発表した。顧客基盤の拡大と収益性の改善を受け、銀行、融資、保険仲介の3事業を強化し、「日常の金融パートナー(Everyday Financial Partner)」としての位置付けを一段と高める方針だ。
2025年末時点の顧客数は840万人を突破し、前年末比で約14%増えた。LINEアプリ内で銀行、融資、保険サービスを一体提供する金融プラットフォームとして利用が広がっている。
融資サービスの利用者は約90万人で、前年比20%増加した。融資残高は270億タイバーツを超えた。
保険事業も伸びた。年換算初年度保険料(AFYP)は前年比30%増、売上高は35%増となった。コスト効率の改善も進み、資産の健全性を維持しながら純利益の確保にもつなげたとしている。
同社は2026年も不透明な経済環境が続くと見込む。その上で、利用者の資金管理を支える「日常の金融パートナー」としての役割を強化する。
具体的には、銀行、融資、保険仲介の3つの中核サービスに経営資源を重点投入する。銀行分野では、より簡単で安全なユーザー体験の実現に加え、個人の資産管理を体系的に支援する新機能を導入する計画だ。
融資分野では、タイ中央銀行の責任ある融資に関するガイドラインに沿って金融アクセスを拡大する。Lalamove、Rabbit Care、LINEMAN Wongnaiなどパートナー企業との連携を広げ、自営業者やプラットフォーム利用者の資金調達を後押しする。あわせて、信用評価モデルの高度化によりリスク管理も強化する。
保険仲介分野では、「加入しやすく、支払い負担は軽く、LINE内で完結する(Easy to buy, light to pay, all done within LINE)」を軸に商品ラインアップを拡充する。変動性の高い環境下で、利用者のリスク管理手段を広げる狙いだ。
キム・ヨンウン氏(LINE Financial COO、Kasikorn Line取締役会議長)は、「LINE BKは、LINEという日常プラットフォーム上で銀行、融資、保険を一体提供する生活密着型の金融プラットフォームだ」と説明した。その上で、「LINEエコシステムの拡張性とカシコン銀行の金融専門性を基盤にユーザー体験を継続的に高め、タイ市場で『日常の金融パートナー』としての地位をさらに強固にしていく」と述べた。
タナ・ポティカムジョーン氏(Kasikorn Line CEO)は、「LINE BKは、LINEエコシステムの連携力、カシコン銀行のリスク管理の専門性、AIとデータ活用力を基盤に安定成長を続けている」と述べた。2026年は年間顧客数を10~15%増やし、融資残高を20~30%拡大する一方、不良債権比率(NPL)は3%以下に抑える計画だ。